「合計特殊出生率」去年は1.30 6年連続で前年を下回る

1人の女性が産む子どもの数の指標となる出生率は、去年、1.30となり、6年連続で前の年を下回ったことが分かりました。

厚生労働省によりますと、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる※「合計特殊出生率」は、去年は1.30で、おととしを0.03ポイント下回りました。

出生率が前の年を下回るのは6年連続です。

都道府県別で最も高かったのは、
▽沖縄県で1.80
次いで、
▽鹿児島県が1.65
▽宮崎県が1.64でした。

一方、最も低かったのは、
▽東京都で1.08
次いで、
▽宮城県が1.15
▽北海道が1.20でした。

去年1年間に生まれた子どもの人数=「出生数」は81万1604人で、2万9000人余り減少し、明治32年に統計を取り始めて以降、最も少なくなりました。

一方、死亡した人は、戦後最も多い143万9809人で、6万7054人増えました。

この結果、死亡した人の数が生まれた子どもの人数を上回る「自然減」は62万8205人で、減少幅は過去最大となりました。

また、
▽結婚の件数は、戦後最も少ない50万1116組で、2万4000組余りの減少、
▽離婚は、18万4386組で、9000組近く減少しました。

第1子を出産した時の母親の平均年齢は30.9歳で、記録が残る昭和25年以降で最も高くなっています。

厚生労働省は、出生率が低下した理由について「10代後半から40代の女性の人口が減少していることに加え、晩婚化で、出産する年齢が高くなっていることも影響しているとみられる。また、新型コロナウイルスによる先行きへの不安から、妊娠を控えた女性もいたのではないか」としています。

※合計特殊出生率(期間合計特殊出生率)=その年における15歳~49歳の女性の年齢別の出生率を合計した数字。1人の女性が、仮に、その年の年齢別の出生率で一生の間に子どもを産むと仮定した時の子どもの数に相当。

松野官房長官「最優先で取り組むべき課題の1つ」

松野官房長官は午後の記者会見で「少子化の進展は社会経済活動の根幹を揺るがしかねない問題であり、最優先で取り組むべき課題の1つだ。若者の経済的不安定さや長時間労働など、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む、さまざまな要因がからみ合っていると考えており、不妊治療への支援、保育の受け皿整備、男性の育児休業取得促進など、総合的な少子化対策を推進して子どもを安心して産み育てることができる環境の確保を図っていく」と述べました。