ロシア軍 セベロドネツクへ攻勢 ウクライナ軍 南部などで反撃

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向け、ウクライナ側の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めている一方、欧米の軍事支援を受けるウクライナ軍も南部などで反撃を続けています。ウクライナへの侵攻から100日となりましたが、戦闘はさらに長期化する見通しで、ロシアと欧米側の軍事的な対立は深まる一方です。

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州で、ウクライナ側の州内最後の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めていて、地元のガイダイ州知事は、セベロドネツクのおよそ8割がロシア軍に掌握されたという見方を示しています。
また、州知事は2日、アメリカのCNNテレビのインタビューで、セベロドネツクではロシア軍の攻撃を受けた化学工場の地下に、子どもを含むおよそ800人が今も避難していることを明らかにしました。

ロシア軍は、ルハンシク州を完全掌握したのち、隣接するドネツク州の掌握を目指すとみられ、ロシア国防省は2日、ドネツク州で地上部隊や無人機の攻撃によって、弾薬庫や燃料庫を破壊したなどと発表したほか、ウクライナ側の外国人戦闘員が当初いた6600人から3500人まで減ったと主張し、戦果を強調しました。
ウクライナ側も南部などで反撃し、一部でロシア軍を押し返す動きがみられていますが、ゼレンスキー大統領は2日の演説で「ロシア軍はウクライナの領土のおよそ20%にあたる、12万5000平方キロメートルを支配している」と指摘しました。

こうした中、欧米側はウクライナへの軍事支援を強化していて、アメリカが、精密な攻撃が可能だとされる兵器「高機動ロケット砲システム」を供与する方針を発表したほか、ドイツも対空ミサイルシステムなどの供与を表明しています。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官が2日「ウクライナに最新鋭の兵器が送り込まれ続けている。こうした兵器がロシア国内に向けて使われることなど、考えたくもないほど不愉快なシナリオだ。状況は極めて悪い方向になるだろう」と警告するなど、ロシアは強く反発しています。

ロシア軍がウクライナへの侵攻を始めて3日で100日となりましたが、戦闘はさらに長期化する見通しで、ロシアと欧米側の軍事的な対立は深まる一方です。

松野官房長官「国際社会が結束し強力な制裁措置を」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ロシアに一刻も早く侵略をとめさせ、対話への道筋をつくるため、今必要なことは国際社会が結束して強力な制裁措置を講じ、ロシアに侵略されているウクライナを支援していくことだ」と述べました。

そのうえで「わが国の追加の制裁措置は、現時点で予断を持って話すことは差し控えたいが、引き続きG7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携して適切に対応していく」と述べました。