パキスタン新政権 ウクライナに支援物資 前政権との違い鮮明に

パキスタンで2日、ウクライナに送る人道支援物資の引き渡し式が行われました。前政権がロシア寄りの姿勢を示してきたのに対し、ことし4月に誕生したシャリフ政権は、ウクライナを支援する姿勢を打ち出し、前政権とは違う立場を鮮明にしています。

引き渡し式は、パキスタンの首都イスラマバードの近郊ラワルピンディの空軍基地で行われました。

毛布や医薬品などの人道支援物資7.5トンを輸送機に積んで、3日、ウクライナの隣国ポーランドに向けて出発するということです。

ウクライナのチュチュック駐パキスタン大使は「パキスタンの支援は、戦いに苦しむウクライナ国民への思いやりと善意の表れだ。パキスタンがウクライナ側に立ってくれていることに心から感謝したい」と述べました。
これに対し、パキスタンのカル副外相はロシアによる軍事侵攻に懸念を示したうえで「被害を受けた民間人への人道支援に全力を尽くす」と述べました。

パキスタンはこれまで、カーン前首相がロシアの軍事侵攻直後の2月24日にモスクワでプーチン大統領と会談したほか、3月に開かれた国連総会の緊急特別会合ではロシアを非難する決議案の採決を棄権するなど、ロシア寄りの姿勢を示してきました。

一方、ことし4月に誕生したシャリフ政権は、ウクライナを支援する姿勢を打ち出し、前政権とは違う立場を鮮明にしています。