東部ルハンシク州知事 “最後の拠点も約8割をロシア側が掌握”

ウクライナでは、ロシア軍が東部ルハンシク州で攻勢を強めていて、地元の州知事は、ウクライナ側の最後の拠点とされる都市、セベロドネツクについても、市のおよそ8割がロシア側に掌握されたという見方を示しました。
一方、アメリカ国防総省は、精密な攻撃が可能だとされる「高機動ロケット砲システム」4両をウクライナ側に供与することを明らかにし、軍事支援をさらに強化する構えです。

ロシア国防省は6月1日、ウクライナの東部ドネツク州でウクライナ空軍の戦闘機を撃墜したほか、部隊などをミサイルで攻撃したと発表しました。

また、ロシア軍は、東部ルハンシク州の完全掌握を目指していて、ウクライナ側の最後の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めています。

ロシア軍の攻勢についてルハンシク州のガイダイ知事は、1日、SNSの投稿の中で、セベロドネツクのおよそ8割がロシア軍に掌握されたという見方を示しました。

そのうえでガイダイ知事は、「市街地での戦闘は続いており、一部では反撃に成功し、6人のロシア側の兵士を捕らえた」などとも投稿し、ウクライナ側も激しい抵抗を続けているとしています。

米「高機動ロケット砲システム」4両供与へ

一方、アメリカのバイデン政権はウクライナ側に対して、より精密な攻撃が可能だとされる「高機動ロケット砲システム」4両を供与することにしていて軍事支援をさらに強化する構えです。

この兵器について、国防総省の高官は6月1日の会見で、ウクライナ側に速やかに届けられるよう、すでにヨーロッパに搬入されていることを明らかにしました。

ドイツ 最も近代的な対空システム供与へ

また、ドイツのショルツ首相は6月1日、連邦議会で演説し、「ドイツが保有する最も近代的な対空システムをウクライナに供与することを決めた」と述べ、対空ミサイルシステムや、砲撃を感知するレーダーをウクライナに供与すると表明しました。

戦闘が長期化する中で欧米は、軍事支援をさらに強化する構えです。