ロシアが支配の既成事実化も ウクライナ大統領“敵が上回る”

ロシア軍は、ウクライナ東部2州の完全掌握を目指して攻勢を強めるとともに、すでに掌握したと主張する一部の地域では支配の既成事実化を進めています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「一部の地域で敵の装備や兵士の数が大幅に上回っている」として各国にさらなる軍事支援を求めました。

ロシア軍は、東部のドネツク州とルハンシク州の完全掌握を目指し、このうちルハンシク州でウクライナ側が拠点とする都市、セベロドネツクへの攻勢を強めています。

また、すでに掌握したとする一部の地域では支配の既成事実化を進めています。

ロシアのプーチン大統領は25日、南部のヘルソン州と南東部のザポリージャ州の住民がロシアの国籍を取得しやすくするために、手続きを簡素化する大統領令に署名し、ロシアの国営テレビはすでに住民が国籍を取得する手続きを始めているなどと伝えています。

さらに、現地の親ロシア派はロシアの通貨ルーブルの導入を始めたとしているほか、ヘルソン州では親ロシア派の幹部が今後、プーチン大統領にロシアへの編入を要請する考えも示しました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、新たに公開した動画で「ウクライナ軍や国を守るすべての人々は東部におけるロシア軍の極めて激しい攻撃に抵抗している。一部の地域で敵の装備や兵士の数が大幅に上回っている」と述べ、ウクライナ軍が東部で苦戦を強いられているという認識を明らかにしました。

そのうえで「ロシア軍の意欲をそぐにはまだ時間がかかる。武器などパートナーの協力が必要だ」として各国にウクライナへのさらなる軍事支援を求めました。