安全保障関連法裁判 2審も憲法判断示さず訴え退ける 東京高裁

7年前に成立した集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法は憲法9条に違反するとして、市民や学者など800人余りが国に賠償を求めた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審に続いて憲法判断をせずに訴えを退けました。

平成27年に成立し、集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法について、全国各地の市民や学者などは「戦争の放棄を定めた憲法9条に違反し、平和的に生きる権利が侵害された」と主張して国に賠償を求めました。

1審の東京地方裁判所は3年前、憲法違反かどうか判断せずに訴えを退け、原告のうち800人余りが控訴していました。

24日の2審の判決で東京高等裁判所の渡部勇次裁判長は「『平和』の概念は抽象的で憲法9条を前提としても『平和的に生きる権利』が国民の具体的な権利にあたるとは言えない。成立後、自衛隊の部隊に『駆けつけ警護』の任務を付与して南スーダンに派遣したことなどは関係する国や武装勢力との間で緊張関係を生じさせる行為だが、直ちに戦争やテロ攻撃に巻き込まれるなどの具体的な危険が生じたとはいえない」として訴えを退けました。

安全保障関連法が憲法に違反するかについては判断を示しませんでした。

全国各地で起こされている同様の裁判で、これまでに言い渡された判決はいずれも憲法判断を示さず、訴えを退けています。

弁護団「責任逃れ判決だ」

弁護団の福田護弁護士は「裁判所は憲法判断という司法の役割を果たさずに国会に責任を押しつけている。安全保障関連法に正面から向き合う姿勢をとらない、責任逃れ判決だ」と述べ、上告する方針を明らかにしました。