ロシア外交官 ウクライナへの軍事侵攻に抗議し辞職 スイス

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、スイスのジュネーブにあるロシア政府の代表部に所属する外交官が、軍事侵攻に抗議して辞職したことが明らかになりました。

関係者が23日に明らかにしたところによりますと、ロシアの外交官、ボリス・ボンダレフ氏はジュネーブにある各国政府の代表部に対して、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア政府に抗議して辞職する、という内容の声明を送ったということです。

声明でボンダレフ氏は「20年間の外交官としてのキャリアの中で外交政策の転換を目の当たりにしてきたが、ことし2月24日ほど自国を恥じたことはなかった。プーチンが仕掛けたウクライナと西側世界全体への侵略戦争は、ウクライナの人々への犯罪にとどまらず、ロシアの人々への最も深刻な犯罪かもしれない」として、プーチン大統領を強く非難しています。
そのうえでボンダレフ氏は「今の外務省は外交をするのではなく、戦争の挑発、うそ、憎悪に終始している。外交官になるための教育を受け20年にわたって働き、外務省はわが家となり、家族にもなったが、この血生臭く、愚かで、必要の無い不名誉を共有することはできない」として、職を辞したことを明らかにしています。

ボンダレフ氏の名前で登録されているビジネス用のインターネット交流サイトのアカウントにも同じ内容の声明が掲載され、コメント欄には辞職を支持するコメントなどが書き込まれています。

ジュネーブにあるロシア政府の代表部は23日、NHKの取材に対して、コメントはないとしています。