ロシア軍 東部2州で攻勢強める 日本政府支援の音楽学校も破壊

ロシア軍はウクライナ東部2州の完全掌握をねらって攻勢を強めていて、日本政府の支援で改修された音楽学校も破壊されました。こうした中、アメリカは軍事支援などのために日本円にして5兆円余りの追加予算を成立させ、ウクライナを支える姿勢を改めて鮮明にしています。

ロシアはウクライナ東部の要衝マリウポリ全域を掌握したと発表したあと、東部2州に部隊を集中させ攻撃を続けているとみられます。

このうち東部ドネツク州のキリレンコ知事は21日、ロシア軍による攻撃で州内で合わせて7人の市民が死亡し、10人以上がけがをしたと発表しました。

また、州内のスビャトヒルスクにある音楽学校が破壊されたことを明らかにしました。

この音楽学校は日本政府の支援で2016年に改修されたということで、キリレンコ知事は「日本をはじめ、支援してくれた国々に感謝している」と投稿し、再建を目指す考えを示しました。

さらにロシア軍は東部ルハンシク州の全域を掌握するため、攻勢を強めているとみられ、ルハンシク州のガイダイ知事は21日、セベロドネツクで6人が死亡したと発表しました。

セベロドネツクについてイギリス国防省は22日、ロシア軍の戦車を援護するために開発された装甲戦闘車両が配備された可能性があると指摘したうえで、「セベロドネツクはロシアにとって当面の戦術的優先の1つだ」と分析しています。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は21日、ウクライナへの兵器の供与や人道支援などを強化するため、およそ400億ドル、日本円にして5兆円余りの追加の予算案に署名し、法律が成立しました。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、議会が承認した外国政府への支援としては少なくとも過去20年間で最大規模だと伝えていて、アメリカはウクライナを支える姿勢を改めて鮮明にしています。