中国 上海 4月の貿易総額 前年比約4割減 コロナ拡大で物流混乱

新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい外出制限が続く中国の上海では、港や空港の物流が混乱した影響などで、先月の貿易総額が去年の同じ月と比べておよそ4割減少しました。
市の当局が感染拡大を抑え込みつつあるとする中、経済活動の再開が進められるかがカギになっています。

中国 上海の税関当局によりますと、管内の港や空港での輸出と輸入を合わせた先月の貿易総額は577億ドル(日本円で7兆3000億円余り)と、去年の同じ月と比べて40.5%の大幅な減少となりました。

厳しい外出制限によって物流が混乱したことなどが要因です。

日本への輸出額も57.3%減っていて、自動車メーカーの一部では、中国からの部品の供給が滞ったことで、日本国内での操業を一時停止する事態も起きています。

また、上海市当局が発表した先月の主要な経済統計では「工業生産」が去年の同じ月に比べて61%減少したほか、消費の動向を示す「小売業の売上高」も48%減少するなど、経済への深刻な影響が浮き彫りになりました。

当局は、このところ感染の拡大は抑え込みつつあるとし、徐々に外出制限を緩和して来月中には市民生活を正常化させるという方針を示していて、経済活動の再開を進め、影響の一段の長期化を防げるかがカギになっています。