自民 食料安全保障強化へ提言案 輸入依存の穀物 増産支援など

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響で食料の安定供給への懸念が広がる中、自民党は、食料の安全保障の強化に向けた提言案を示しました。小麦やトウモロコシなど輸入に依存している穀物について、国内での大幅な増産を支援することなどが盛り込まれています。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響で世界的に小麦や化学肥料などの供給に支障がでていて、日本でも、輸入の割合が高い小麦や家畜の餌となるトウモロコシ、それに肥料などの価格が高騰しています。

こうした中、自民党は、食料の安定供給のリスクが顕在化したとして、過度な輸入依存から脱却することなどを盛り込んだ提言案を示しました。

案では、小麦や大豆、トウモロコシなど輸入に依存している穀物を国内で大幅に増産するため、畑や水田の有効活用や品種の開発などに思い切った支援を行うとしています。

また、円安や生産資材の大幅な値上げなどで悪化している農業経営への対策として、肥料の急激な価格高騰を緩和する新たな仕組みを設けるなどとしています。

自民党は近く、政府に対してこれらの提言を行うことにしています。

松野官房長官「食料安全保障の強化に向け しっかり対応したい」

松野官房長官は午後の記者会見で「ロシアによるウクライナ侵略を受け、世界的な食料価格の高騰や供給不足への懸念が高まっており、特にぜい弱な国々への影響が懸念される。わが国でも、頻発する自然災害や地球温暖化に加え、昨今の原油や穀物、生産資材の国際価格の急騰など、食料の安定供給をめぐる状況が大きく変化している。先月取りまとめた緊急対策で農林水産分野についても緊急に必要な施策を講じたが、引き続き食料安全保障の強化に向けてしっかりと対応したい」と述べました。