ロシア副首相 “ロシアと支配地域を結ぶ道路の建設進める”

ウクライナでは、ロシア軍が東部でのさらなる攻略を目指すとみられる中、プーチン政権で都市開発などを担当する副首相がロシアと支配地域を結ぶ道路の建設を進めることを表明するなど、支配の既成事実化を進める動きが広がっています。

ウクライナ東部のマリウポリでは兵士の投降が続き、ロシア国防省は18日、アゾフスターリ製鉄所から694人が投降したと発表し、今月16日以降、ウクライナ側からは合わせて959人になったとしています。

ウクライナ軍の参謀本部は製鉄所での戦闘任務は終わったとしていて、ロシア軍は近くマリウポリを完全に掌握し、東部でのさらなる攻略を目指しているとみられます。

こうした中、ロシアの国営通信社によりますとロシアのプーチン政権で都市開発などを担当するフスヌリン副首相が18日、ウクライナ南東部ザポリージャ州の都市メリトポリを訪れました。

ロシア側は、メリトポリを掌握したと一方的に主張していて、フスヌリン副首相は、「ロシアとつながる道路を整備する」と述べ、ロシアと支配地域を結ぶ道路の建設を進めていく考えを示しました。

さらに、メリトポリの住民に対しては「今月にもルーブルで年金と給料が支払われる」と述べウクライナの通貨フリブニャではなくロシアの通貨ルーブルで支払いが行われると主張しました。

そして「メリトポリの展望はロシアの一部になることだ。併合の可能性のために最大限支援したい」と述べました。
フスヌリン副首相は、今月8日には東部マリウポリを訪れ、港の復興などについて親ロシア派の勢力と協議したとしていて、ロシアとしては道路や港などのインフラ整備を通じて支配の既成事実化を進めていくねらいがあるとみられます。

一方、アメリカ国防総省の高官は、ウクライナ第2の都市、東部ハルキウ周辺で「ウクライナ軍の部隊は引き続き、ロシア軍の部隊を国境に向けて押し返している」と述べました。

マリウポリのボイチェンコ市長も18日、NHKのインタビューで「時期が来れば反撃に転じる。われわれが勝利し、私自身も必ずマリウポリに戻る」と述べてマリウポリを奪還する決意を示しました。

ウクライナ軍は欧米各国から軍事支援も受けて徹底抗戦の構えを崩しておらず、戦況は予断を許さない状況が続きそうです。