1-3月GDPきょう発表「まん延防止」で消費落ち込みマイナス予測

ことし1月から3月までのGDP=国内総生産が18日発表されます。期間中にまん延防止等重点措置が各地に適用された影響で個人消費が落ち込んだとみられ、民間の予測の平均は、実質の伸び率が年率換算でマイナス1.36%となっています。

ことし1月から3月までのGDPは、18日午前8時50分、内閣府が速報値として発表します。

公益社団法人の「日本経済研究センター」が集計した民間のエコノミスト36人の予測の平均は、物価の変動を除いた実質の伸び率が、前の3か月と比べて年率換算でマイナス1.36%となっています。実際にマイナスとなれば、2期ぶりです。

このうち、「個人消費」の予測の平均は前の3か月と比べてマイナス0.64%となっています。この期間にオミクロン株の感染拡大でまん延防止等重点措置が各地に適用され、外食や旅行などを中心に「個人消費」が落ち込んだとみられます。

一方、「輸出」がプラス1.42%と堅調に推移したとみられるほか、「企業の設備投資」はプラス0.64%と予測されています。

また、合わせて発表される昨年度・2021年度1年間のGDPの予測の平均は、実質でプラス2.27%となっています。
新型コロナの影響でマイナス4.5%と比較可能な1981年度以降では最大の落ち込みとなった前の年度からプラスに転じるものの、回復に力強さが欠けることを裏付ける結果となりそうです。

感染状況に左右される消費が回復の足を引っ張る

新型コロナの感染拡大から2年がたちました。日本のGDPの規模は依然としてコロナ前のピークには届いておらず、感染状況に左右される消費が回復の足を引っ張る状況が続いています。

新型コロナの感染拡大前、3年前の2019年の10月から12月のGDPは1年間続いたと仮定した年率換算で542兆円でした。

GDPは2020年4月から6月を底に回復しますが、その後は一進一退を繰り返します。
緊急事態宣言が解除されたあとの去年10月から12月までの(2021年)GDPは年率換算で540兆円になり、政府は「コロナ前の水準にほぼ回復した」としています。ただ、感染拡大前のピークだった2019年7月から9月の557兆円にはまだ、届いていません。

回復に鈍さがみられる大きな要因は、GDPの半分以上を占める「個人消費」の動向です。感染拡大前の2019年の10月から12月の個人消費は年率換算で293兆円でした。

その後、個人消費は感染状況に左右される形でプラスとマイナスを繰り返し、GDP全体も同様の動きをします。
そして去年10月から12月までの個人消費は年率換算で293兆円、感染拡大前とほぼ同じ水準となりましたが、拡大前のピークには届いていません。

足元では、ことし3月にまん延防止等重点措置が解除され、旅行や外食の回復が期待される一方、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギーや食料品の価格上昇に拍車がかかる事態となっています。

相次ぐ物価の上昇は消費者心理を冷え込ませ、個人消費の先行きの懸念材料となっています。