ウクライナ軍東部で反撃か ロシアは北欧2か国のNATO加盟けん制

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナでは東部ハルキウ州でウクライナ軍が国境までロシア軍を押し戻したと伝えられるなど、反撃を強めているものと見られます。
一方、NATO=北大西洋条約機構をめぐっては北欧のフィンランドに続いてスウェーデンも近く加盟の申請を決定する見通しで、これに対しロシア側は「重大な過ちだ」などと両国の動きを強くけん制しています。

ウクライナではロシア軍が掌握を目指す東部で激しい攻防が続いていて、ロシア国防省は16日にウクライナ軍の弾薬庫や指揮所などをミサイルで破壊したなどと発表しました。

これに対してウクライナ側は東部ハルキウ州の知事が16日、地元メディアに「ウクライナ軍の部隊がロシアとの国境に到達し、領土を取り戻しつつある」と述べるなど、反撃を強めているものと見られます。

ゼレンスキー大統領は15日に公開した動画で「占領者たちは行き詰まり、いわゆる“特別軍事作戦”がすでに失敗していることをいまだに認めようとしない。しかし、ウクライナ国民が現実を理解させるときが必ず来るだろう」と述べ、徹底抗戦する姿勢を改めて強調しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は15日に「ロシア軍はウクライナ軍の部隊を大規模に包囲するという目標を放棄し、東部ルハンシク州の掌握を優先しているようだ」として、ウクライナ軍の反撃を受ける中、ロシア軍がルハンシク州の掌握に重点を置こうとしているという見方を示しました。

一方、ロシア軍の侵攻を受け北欧各国によるNATO=北大西洋条約機構への加盟申請の動きが活発になっていて、15日に申請を表明したフィンランドに続いてスウェーデンも近く申請を決定する見通しです。

これに対しロシア外務省のリャプコフ外務次官は16日、モスクワで記者団に「重大な過ちだ。状況は劇的に変化するだろう。われわれが我慢するという幻想を抱いてはならない」と述べ、両国の動きを強くけん制しました。