中国 上海副市長 “6月中に市民生活や企業活動の正常化を”

新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい外出制限が続く中国の上海では感染者の減少傾向が続いていて、当局は来月中に市民生活や企業の生産活動を正常化させる方針を示しました。

中国の上海では、新型コロナウイルスの感染者が15日、新たにおよそ900人確認されました。

先月には、連日2万人を超える感染者が確認されていましたが、一日の感染者数はこのところ減少傾向が続いていて、1000人を下回るのは3月23日以来、53日ぶりです。

こうした中、上海市の宗明副市長は、16日の記者会見で「来月1日から中旬や下旬にかけて感染リスクを抑え込んでいるという前提のもと、市民生活や企業の生産活動を正常化させる」と述べ、来月中に社会を正常化させると強調しました。

市当局は当初、先月5日までとしていた厳しい外出制限を延長していましたが、正常化の見通しを具体的に示したのは初めてです。

当局は、感染リスクがあるとした人を相次いで施設などに隔離し、市中感染はこのところ、ほとんど抑え込んでいるとしていて、16日からスーパーなどの営業を段階的に再開させるほか、来週からは地下鉄やバスの運行も徐々に再開させるとしています。

外出制限が本格的に始まってから、16日で50日となる上海では、市民生活や経済への影響が広がり住民の不満が高まっています。