プーチン大統領 NATO加盟求めるフィンランドを強くけん制

ウクライナ東部を中心に攻撃するロシアに対し、ウクライナ側は一部の集落を奪い返すなど激しい攻防が続いています。
こうした中、プーチン大統領は、NATO=北大西洋条約機構への加盟を求める立場を明らかにした北欧フィンランドのニーニスト大統領と電話会談し「両国関係に否定的な影響を及ぼす」と強くけん制しました。

ロシア国防省は14日、ウクライナ東部ルハンシク州にあるウクライナ軍の28の部隊の拠点や2つの弾薬庫をミサイルで攻撃したと発表しました。

また、東部ハルキウ州や南部オデーサ州の沖合30キロ余りの位置にあるズミイヌイ島付近で、ウクライナ軍の無人機合わせて6機を撃墜したとしています。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、13日と14日にSNS上で公開した動画で、東部2州での戦況は依然、厳しいという見方を示す一方で、ロシア軍に占拠されていたハルキウ州の6つの集落を奪還したと明らかにしました。

さらに、これまでに1000以上の集落を解放したということで、ゼレンスキー大統領は「ウクライナの防衛を続けている者たちは、わが国の土地や海から占領者を立ち去らせるため、ハルキウ州で起きているのと同じことを、着実にもたらすだろう」と述べ、今後も反撃を続ける考えを示しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も13日、「ウクライナはハルキウでの戦いで勝利したとみられる」と分析しています。
こうした中、ロシアとフィンランドの大統領府は14日、プーチン大統領とニーニスト大統領が電話で会談したと発表しました。

軍事的に中立の立場をとってきたフィンランドは12日、軍事侵攻についての世論の高まりなども背景に、NATOへの加盟を速やかに求めるべきだとの立場を明らかにしていて、電話会談でニーニスト大統領は、自国を取り巻く安全保障環境が根本的に変わったなどと説明したということです。

これに対し、プーチン大統領は「フィンランドにとっての安全保障上の脅威は存在せず、軍事的中立という伝統的な政策を放棄するのは誤りだ」と批判しました。

そして「フィンランドの外交方針の変更は、長年にわたる両国の互恵関係に否定的な影響を及ぼす可能性がある」と強くけん制しました。

さらに、プーチン大統領は、ウクライナとの停戦交渉について「真剣で建設的な対話に関心を示さないウクライナ側によって事実上中断している」と述べ、ウクライナ側の責任で交渉が中断していると一方的に批判しました。