衛星画像で軍事侵攻を検証 “ジオリファレンス”市民が体験

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、インターネットなどで公開されている衛星画像を活用し検証することで、市民も参加して戦争犯罪の抑止につなげていこうというワークショップが14日、都内で開かれました。

ロシアによるウクライナ侵攻では現地の実態を知るうえで解像度の高い衛星画像が注目を集めていて、キーウ近郊のブチャで多くの民間人が殺害されたと伝えられた際には、路上に放置された遺体の位置や日時などについて衛星画像をもとに事実関係の検証が行われました。

こうした手法を広く知ってもらおうと、衛星画像の分析に詳しい専門家などが14日、東京・港区で市民を対象にしたワークショップを企画し、報道機関やウクライナへの支援を行う団体などからおよそ30人が参加しました。
はじめに専門家が多くの衛星画像が民間企業によって公開されている現状を述べ、市民の間でも衛星画像の位置を地図上で特定する「ジオリファレンス」と呼ばれる手法や、軍事侵攻や被害の状況を検証する動きが広がっていることを説明しました。

その後、参加者たちがノートパソコンなどで「ジオリファレンス」を体験し、衛星画像に写る橋や屋根の色などの情報をインターネットの無料の地図アプリと照らし合わせることで、撮影された場所を特定していきました。
企画した青山学院大学の古橋大地教授は「衛星画像から現地の状況を検証し続けることで、戦争犯罪を抑止するプレッシャーになると考えています。地理に詳しい人や軍事に詳しい人など、さまざまな人が検証に加わることで新たな事実が明らかになってくるので、より多くの人に参加してほしい」と話していました。