アメリカとASEAN 関係を11月の首脳会議で格上げする方針で一致

アメリカとASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議が開かれ、双方の関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げする方針で一致しました。
バイデン政権としては東南アジア各国との関係を強化しこの地域で影響力を拡大させる中国に対抗したい考えです。

アメリカのバイデン大統領は首都ワシントンにASEAN各国の首脳らを招いて13日までの2日間、首脳会議を開き「アメリカとASEANは新たな時代を迎える。このパートナーシップを格上げし、連携をさらに強化させる」と述べました。

首脳会議後に発表された共同声明では、双方の関係についてことし11月に開かれる首脳会議で「包括的戦略パートナーシップ」に格上げする方針だとしています。

「包括的戦略パートナーシップ」は、中国とASEANがすでに結んでいるもので、ASEAN各国の間でアメリカの地域への関与が不十分だとの受け止めもある中、バイデン政権としては、改めて関係を強化し、東南アジアで影響力を拡大させる中国に対抗したい考えです。

一方、ウクライナ情勢をめぐってはASEAN各国の間でロシアとの関係に温度差があり、共同声明では、軍事侵攻したロシアを名指しせず「主権や政治的独立性、それに領土の一体性を尊重することを改めて確認した」と述べるにとどめました。

インドネシア ジョコ大統領 “新たな経済連携を歓迎”

今回の首脳会議でASEAN側の窓口としてアメリカと加盟国の調整を担ってきたインドネシア政府は会議のあと、声明を発表しました。

それによりますとインドネシアのジョコ大統領は会議の中でアメリカが主導して新たな経済連携「IPEF=インド太平洋経済枠組み」の立ち上げを目指すとしていることを歓迎する意向を示しました。

ただ「IPEFの連携は包括的なものでなければならない」として自国の利益にどの程度つながるのか見極める考えを示しました。

また、来年インドネシアがASEANの議長国を務める際には「インド太平洋インフラフォーラム」の開催を計画していると伝えたうえで「アメリカのこのフォーラムへの参加を期待している」と述べ、アメリカが経済分野でも東南アジア地域との関係をより強めていくことに期待を示しました。

マレーシア首相 ミャンマー問題で民主派との接触を提案

今回のアメリカとASEANの首脳会議では軍がクーデターで実権を握ったミャンマーの問題についても意見が交わされました。

このなかでマレーシアのイスマイルサブリ首相は、去年4月ミャンマー軍のトップも出席したASEANの首脳級会議で合意された暴力の即時停止や平和的な解決を目指す関係者どうしの対話など5つの項目の履行が不十分だと指摘しました。

そのうえで民主派の議員らが軍に対抗して発足させた「国民統一政府」について「ASEANは国民統一政府と非公式な接触をはかるべきだ」と訴えました。

ASEANは軍と民主派との対話を仲介する特使をことし3月に初めてミャンマーに派遣し、軍のトップらとの会談を重ねましたが、民主派の側とは面会できませんでした。

こうした状況を受けてイスマイルサブリ首相はミャンマー国外に逃れ活動を続けている国民統一政府のメンバーと接触をはかり、軍と民主派、双方の主張を聞いて仲介を行うべきだとする考えを示したものです。

軍は国民統一政府をテロ組織に指定し、対話を拒否する姿勢を示していることからASEANが接触すれば軍はますます態度を硬化させる懸念があり、マレーシアの提案にASEANのほかの加盟国がどう応じるかが焦点になります。