国後島で女性の遺体発見 観光船事故の行方不明者の可能性も

北方領土の国後島の海岸で女性の遺体を発見したとロシア側から連絡があり、第1管区海上保安本部は、北海道の知床半島沖で沈没した観光船の乗客の可能性もあるとみてロシア側と連絡を取り合い確認を進めることにしています。

第1管区海上保安本部によりますと、北方領土の国後島の海岸に女性の遺体が打ち上げられているのが見つかったと今月10日、ロシア側から連絡を受けたということです。

遺体は今月6日に島の西側の海岸で見つかり、その後、島にある病院に収容されましたが、身元の特定につながる所持品などは見つかっていないということです。

国後島に近い知床半島の沖合では、先月23日に観光船「KAZU 1」が沈没する事故があり、今も12人の行方が分からなくなっています。

海上保安本部は、見つかった遺体は沈没した観光船の乗客の可能性もあるとみて、すでに乗客の家族にこの情報を伝えているということです。

引き続き、ロシア側と連絡を取り合い、身元の確認を進めることにしています。

一方、観光船の沈没事故をめぐっては、海上保安本部などが知床半島から国後島の周辺にかけての広い範囲で夜を徹して行方不明者を捜しているほか、警察は来週、半島東部の羅臼町側の海岸線で陸地からの捜索を行う予定です。

行方不明者発見の経緯

最初に行方不明者が見つかったのは、事故翌日の先月24日午前。
現場のカシュニの滝付近から北東に14キロほど離れた知床岬の西側や北東の海上や岩場などで10人が見つかりました。

同じ日の夜、現場からより離れた知床岬の東およそ14キロの海上でも1人が見つかりました。

さらに事故から6日目の先月28日、知床岬の南南東およそ23キロから24キロの海上で合わせて3人が見つかり、現場から知床半島をはさんで羅臼町側の海域に達していました。

海上保安本部は、知床半島周辺から北方領土の国後島周辺まで範囲を広げて捜索を続けていますが、先月28日を最後に行方不明者は見つかっていません。

一方、先月27日、ロシアの警備艦が国後島の西側の海域で救命胴衣を着けて漂流する人を見つけましたが、天候が悪く救助できないまま見失ったということです。

そして13日新たに、今月6日国後島の西側の海岸に女性の遺体が打ち上げられているのが見つかったとロシア側から連絡があったことが明らかになりました。

海上保安本部は、行方不明になっている観光船の乗客の可能性もあるとみて確認を進めることにしています。

官房長官 “すでに該当の可能性あるご家族に伝えた”

松野官房長官は、午後の記者会見で「女性については、現時点で事故との関係性は不明だが、今月10日にロシア当局から海上保安庁に対して『6日に国後島の西岸で女性の遺体が発見され、国籍は不明で、今後詳細が分かれば連絡する』などと情報提供があった。提供された情報は、すでに海上保安庁が該当する可能性があるご家族に伝えた。外交ルートを通じて、ロシア側にさらなる情報を照会し、事実関係の確認を進める」と述べました。

また、記者団が「観光船に乗っていた人のリュックサックが国後島沖で発見され、ロシア側が引き上げたという情報があるが」と質問したのに対し、松野官房長官は、先月28日にロシア側から海上保安庁に対して、日本人名義の銀行カードが入ったリュックサックを引き上げたと連絡があり、外交ルートで引き渡すよう申し入れていると明らかにしました。