ロシア「戦勝記念日」を前にマリウポリの完全掌握へ攻勢強める

ロシアでは9日にプーチン大統領が重視する「戦勝記念日」を迎え、ウクライナ東部のマリウポリの完全掌握などに向け攻勢を強めているものとみられます。
これを前にG7=主要7か国の首脳はオンラインの会合を開き、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加する予定で、ロシアへの圧力の強化に向け協議するものとみられます。

ロシア国防省は8日、ウクライナ東部ハルキウ州に空爆やミサイル攻撃を行い、ウクライナ軍の施設や地対空ミサイルシステムなどを破壊したほか、南部オデーサの郊外でもウクライナ海軍の艦船を破壊したと発表しました。

ロシアでは9日にプーチン大統領が重視する第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利した「戦勝記念日」を迎えますが、プーチン政権が目指すウクライナ東部2州の完全掌握が難航する中で、ロシア軍が要衝マリウポリの掌握に向け、攻勢を強めているものとみられます。

こうした中、東部ルハンシク州のガイダイ知事は8日、ロシア軍が学校を空爆し2人の死亡が確認されたほか、当時学校に避難していたおよそ60人が今もがれきの下に取り残されている可能性があると指摘しています。

一方、戦況を分析しているイギリス国防省は、「ロシア軍は最前線で苦戦し、上級の司令官も前線に配置されている。欠陥のある計画によって部隊が思うように進めなくなっている」と指摘しているほか、ワシントンのシンクタンク、「戦争研究所」も、「ウクライナ軍は東部ハルキウの北東部で反転攻勢に転じ、数日から数週間のうちにロシア国境まで前進する可能性が高い」として、ウクライナ軍が一部でロシア軍を押し返していると分析しています。

また、ロシアの「戦勝記念日」に先立ちG7=主要7か国の首脳は、日本時間の9日午前0時からオンラインの会合を開き、ウクライナのゼレンスキー大統領も一部に参加する予定で、ロシアへのさらなる制裁など圧力強化に向け協議するものとみられます。