上海 感染減少傾向も 日系企業の工場 約6割が全く稼働できず

新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい外出制限が続く中国の上海では、感染者数が減少傾向にあり、当局が企業活動の再開を進めるとしていますが、日系企業でつくる団体の調査で、現地に工場がある企業の6割が稼働できていないことがわかり、依然、深刻な影響が続いています。

厳しい外出制限が続く中国の上海では、一日に確認される新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向にありますが、5日も4000人余りが確認されました。

こうした中、日系企業などで作る「上海日本商工クラブ」が先月末、現地に拠点がある日系企業に調査したところ、上海に工場がある54社のうち、
▽およそ6割にあたる企業が、全く稼働できていないほか、
▽3割近くの企業は、生産が30%以下に落ち込んでいる
と回答がありました。

また、多くの企業は、操業再開に向けた課題として、物流の回復や従業員の確保を挙げています。

具体的には、
▽感染対策のため、トラックの運転手不足が続いていて、輸送コストが高騰していることや、
▽操業を再開する際も、当局が従業員の自宅からの通勤を認めない中、工場の敷地内で泊まり込みをさせる設備がなく、再開に踏み切れない
といった声が寄せられているということです。

上海市当局は、国内外1800社余りの企業に優先的に操業を許可するなど、企業活動の再開を進めるとしていますが、依然、生産や物流への深刻な影響が続いています。