ロシア ヘルソン州などで自国の通貨導入 戦闘さらに長期化懸念

ウクライナへの攻勢を強めているロシアは、南部ヘルソン州などで自国の通貨を導入するなど、長期的に影響下に置こうとしているものとみられます。また、プーチン大統領が今月9日の「戦勝記念日」にこれまで「特別な軍事作戦」としていたウクライナへの侵攻を「戦争状態にある」と宣言する可能性があると、イギリスの国防相が指摘し、戦闘がさらに長期化することが懸念されています。

ロシア国防省は1日、ウクライナ南部オデーサの軍事飛行場の滑走路をミサイルで破壊したほか、東部のドネツク州やハルキウ州のウクライナの軍事施設7か所も攻撃したと発表し、南部や東部への攻勢を強めています。

さらにロシア側は、掌握したと主張する南部ヘルソン州で、1日からウクライナの通貨フリブニャと併せてロシアの通貨ルーブルを導入したとみられています。

こうした動きについてイギリス国防省は1日、「ロシアがヘルソンで長期的にわたり政治的・経済的に強い影響力を行使していく意図を示しているとみられる」として、ロシアがこの地域を政治面だけでなく経済面でも長期的に影響下に置こうとしている、という分析を発表しました。

さらにイギリスのウォレス国防相は、ロシアのプーチン大統領が軍事侵攻の成果を強調すると見られている今月9日の「戦勝記念日」に、これまで「特別な軍事作戦」としていたウクライナへの侵攻について、「戦争状態にある」と宣言する可能性があるという見方を示しました。

ウォレス国防相は具体的な情報があるわけではないとしながらも、プーチン大統領がウクライナのゼレンスキー政権をナチス・ドイツになぞらえ戦争状態にあるとすることで、ロシア国民にさらなる動員を求める可能性もあるとしていて、戦闘がさらに長期化することが懸念されています。