北朝鮮 キム総書記 先制攻撃で核兵器使用を辞さない姿勢強調

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、25日の軍事パレードを指揮した軍の幹部らを前に「敵対勢力による核の脅威を、必要ならば先制的に粉砕する」と述べ、核兵器を抑止力としてだけでなく、先制攻撃に使用することも辞さない姿勢を改めて強調しました。

30日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は「元帥服」と呼ばれる白い軍服姿のキム・ジョンウン総書記が、25日の軍事パレードを指揮した軍の幹部らを党本部で激励したと伝え、一緒に記念撮影した写真を1面に掲載しました。

この中でキム総書記は「力と力がしれつに激突する今の世界で、誰も止められない攻撃力と圧倒的な軍事力は、わが国と人民の将来を保証する生命線だ」と指摘しました。

そのうえで「敵対勢力によって増大し続ける核の脅威を含む危険な試みと威嚇的な行動を、必要ならば先制的に徹底して制圧、粉砕する」と述べました。

キム総書記は、軍事パレードでの演説でも「われわれの核は、戦争防止という1つの使命だけに縛られない。わが国の根本利益を奪おうとするならば、第2の使命を決行せざるをえない」と述べていて、核兵器を抑止力としてだけでなく、先制攻撃に使用することも辞さない姿勢を改めて強調した形です。

一方、アメリカのシンクタンクは、25日に撮影された北朝鮮北東部の核実験場の衛星写真から、7回目の核実験に向けた準備が着実に進んでいると分析しています。

キム総書記の発言は、来月、5年ぶりに保守政権が発足する韓国との首脳会談を控えているアメリカを強くけん制するねらいがあるとみられます。

米国務省「数か月以内に核実験を行う準備か」

アメリカ国務省のポーター副報道官は29日、電話による記者会見で「われわれが把握している報告では、北朝鮮が数か月以内に核実験を行うための準備を進めている可能性がある」と述べました。

そのうえで「こうした行動は危険なだけでなく、地域を不安定化させる。明確な国際法違反であり、世界的な核拡散防止体制を弱体化させる」と懸念を示し、北朝鮮に対し、非核化に向けた対話の再開に応じるよう呼びかけました。