岸田首相 インドネシアに続き あすベトナムで首脳会談へ

インドネシアを訪れている岸田総理大臣は29日、ジョコ大統領と会談し、ロシアによる軍事侵攻をめぐり、いかなる地域でも力による一方的な現状変更を認めない方針で一致しました。
5月1日、ベトナムでファム・ミン・チン首相と首脳会談を行い、安全保障や経済分野での協力強化を確認する見通しです。

東南アジアとヨーロッパを歴訪している岸田総理大臣は、日本時間の29日夜、最初の訪問国インドネシアでジョコ大統領と首脳会談を行いました。

会談で両首脳は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐって意見を交わし、いかなる地域でも、武力の行使や威嚇による主権や領土の一体性の侵害、また、力による一方的な現状変更を認めない方針で一致しました。
そして、ことし11月のG20=主要20か国の首脳会議にロシアのプーチン大統領の参加を認めるかどうかについて、今後の情勢を見極めながら適切に対応できるよう緊密に連携していくことでも一致しました。

また、岸田総理大臣は、中国を念頭に「東シナ海や南シナ海における力を背景にした一方的な現状変更の試みや経済的な威圧に対して強く反対する」と述べ、引き続きインドネシアと協力していくことを確認しました。
岸田総理大臣は30日にインドネシアを離れ、5月1日、ベトナムでファム・ミン・チン首相と首脳会談を行い、安全保障や経済分野での協力強化を確認する見通しです。

一方、林外務大臣は29日、旧ソ連諸国のカザフスタンとウズベキスタンを訪れ、両国の大統領や外相らと会談しました。

一連の会談で、林大臣は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに国際社会が足並みをそろえて対処する必要性を強調したのに対し、両国はいずれも、問題の平和的な解決が重要だという認識を示し、緊密に連携していくことを確認しました。
林大臣は、このあと記者団に「今回の訪問を通じ、日本と両国が、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に構築するパートナーとして協力することを確認できた」と述べました。