円安 輸入牛肉扱う焼き肉チェーン 経営への影響 懸念の声も

外国為替市場で1ドル=130円台まで円安が進んだことを受けて、輸入牛肉を扱う焼き肉チェーンの運営会社からは仕入れ価格の上昇などによる経営への影響を懸念する声が出ています。

全国におよそ290店の焼き肉店を展開する愛知県に本社がある会社では、アメリカから冷凍牛肉のカルビやハラミなどを輸入しています。

アメリカ産牛肉の輸入価格は、これまでもコロナ禍からの経済活動の正常化などを背景に上昇が続いていましたが、この会社では、調達先をヨーロッパや南米などに広げたり、取引先との契約をより長期のものに切り替えたりして、商品価格の維持に努めてきたと言います。

しかし、ここに来て円安が一段と進んだことで、卸売会社を通じ円建てで調達している牛肉の仕入れ価格が今後さらに上昇することも予想され、今の商品価格を維持したままでは収益の圧迫が避けられないとして経営への影響に懸念を強めています。
「物語コーポレーション」購買物流・生産本部の針谷節 本部長は「外食産業は輸入品の割合が多く、為替の変動が原料価格に影響しやすい。品質や価格を変えないために企業努力を続けているが、円安により原料価格が高騰することでお客様に負担をかける可能性もあり、今後の状況を注視したい」と話していました。

一部のコーヒー製品値上げも ネスレ日本

大手食品メーカーの「ネスレ日本」は、一部のコーヒー製品について、急速な円安などによる仕入れ価格の高騰を受けて、ことし6月から値上げすることを決めました。

発表によりますと、ネスレ日本はレギュラーコーヒーのうち専用の機械で抽出するカプセルタイプの製品12品目を、ことし6月1日の出荷分からおよそ11%から13%値上げします。

理由について会社では、世界的なコーヒー需要の増加や主な産地のブラジルの天候不良に加え、このところの急速な円安の結果、先月のコーヒーの生豆の国際的な取引価格が、円換算でおととし1月のおよそ2.5倍に高騰し、企業の努力だけでは吸収しきれなくなったためだとしています。