JR西日本グループ 昨年度1年間の決算 需要戻らず2年連続赤字

JR西日本の昨年度1年間のグループ全体の決算は、新型コロナによる利用客の低迷が続いて最終的な損益が1131億円の赤字となり、赤字幅は前の年度に次ぐ過去2番目の大きさになりました。一方、今年度は需要が回復し、黒字に転換する見通しだとしています。

JR西日本が28日発表した先月末までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが12.1%増え1兆311億円となったものの、最終的な損益は1131億円の赤字となりました。

通期の決算が最終赤字となるのは2年連続で、赤字幅は過去最大だった前の年度の2332億円に次ぐ過去2番目の大きさになっています。

JR西日本はコロナ禍による鉄道需要の低迷が続く中、先月、過去最大規模のダイヤ改正を行ったほか、保線作業の機械化や「みどりの窓口」の統廃合による人員の削減など経営の効率化を進めた一方、新幹線を含む鉄道需要がコロナ前の54.6%にとどまったことが要因だとしています。

来年3月までの1年間の業績については、鉄道需要は依然としてコロナ前の90%までしか回復しないと見込んでいますが、需要を着実に取り込むことで最終的な利益は585億円の黒字に転換すると予想しています。

JR西日本の中西豊常務は会見で「依然厳しい経営環境でコロナの感染状況などは先行き不透明な部分もあるが、鉄道を安全に運行する使命を果たしながら、黒字化に向けた新たな取り組みを進めたい」と話していました。