米バイデン大統領 日本と韓国訪問へ 来月20日~24日

アメリカのホワイトハウスは、バイデン大統領が来月20日から5日間の日程で、同盟国の日本と韓国を訪問すると発表しました。
バイデン大統領が就任後にアジアを訪れるのはこれが初めてで、日本では、岸田総理大臣との首脳会談のほか日米両国にオーストラリアとインドを加えた4か国でつくる「クアッド」の首脳会合に臨むことにしています。

アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は27日、声明を発表し、バイデン大統領が来月20日から24日の5日間の日程で、日本と韓国を訪問すると発表しました。

バイデン大統領が就任後にアジアを訪れるのはこれが初めてです。

日本では滞在中、岸田総理大臣との首脳会談に臨むほか、日米両国にオーストラリアとインドを加えた4か国でつくる「クアッド」の首脳会合に出席することにしています。

また韓国では、来月10日に就任するユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領と初めて会談する予定です。

声明では「自由で開かれたインド太平洋地域と、日韓両国との同盟関係についての決意をさらに深めるものだ」とした上で「極めて重要な安全保障関係を深化させ、経済関係の強化や協力関係の拡大について議論する」と強調しています。

バイデン政権は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中でも、最大の競合国と位置づける中国を念頭に、インド太平洋地域への関与と、アジアの同盟国との連携を重視する姿勢に変わりはないことを示したい考えです。

官房長官「訪日が日米両国の決意示す機会となること期待」

今回の訪問について松野官房長官は記者会見で「ロシアによるウクライナ侵略という力による一方的な現状変更が現実に行われ、国際秩序に大きな衝撃が加えられた中で、インド太平洋、とりわけ東アジアにおける平和と繁栄を確保するため、あらゆる面での緊密な連携を確認することは極めて重要だ。大統領の訪日が日米両国の決意を示す機会となることを期待する」と述べました。
またクアッド首脳会合について「日米豪印は、とりわけワクチン、インフラ、重要新興技術などの分野で実践的な協力を進めてきた。国際情勢や地域情勢などについて首脳間で率直な意見交換を行うとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力への力強いコミットメントを日本から世界に示す機会としたい」と述べました。

韓国も訪韓を発表 来月20日からの3日間

韓国で来月10日に就任するユン・ソギョル次期大統領の報道官は、声明を出し、アメリカのバイデン大統領が、来月20日から22日までの3日間の日程で韓国を訪問すると発表しました。

滞在中に行われる初めての米韓首脳会談について、報道官は、両国の同盟関係の強化や北朝鮮への対応、それに経済安全保障などをめぐって幅広く議論する予定だとしたうえで「両国の包括的な戦略同盟をさらに発展させる歴史的な転機になると期待している」と歓迎しています。

関係者によりますと、米韓首脳会談は、来月21日に開かれるということで、韓国の大統領が就任後に初めて臨むアメリカ大統領との会談としては最も早い開催になる見通しです。

通信社の連合ニュースは「ユン新政権にとっては、アメリカの中国に対するけん制にどれだけ賛同するのかを問われる機会にもなる」と伝えています。

中国外務省 「クアッド」をけん制

アメリカのバイデン大統領が来月、日本を訪問し、日米両国にオーストラリアとインドを加えた4か国で作る「クアッド」の首脳会合に臨むことについて、中国外務省の汪文斌報道官は、28日の記者会見で「国家間の協力は、地域の平和と安定、繁栄の促進に資するべきであり、閉鎖的な小さなグループを作り、地域の国々の相互信頼や協力を損なうものであってはならない」と強調しました。

そのうえで「クアッドは時代遅れの冷戦思考に満ちており、軍事的な対抗の色彩が強く、時代の流れに逆行し、人々の支持を得られない」と述べ、こうした動きをけん制しました。