ウクライナ 避難民受け入れ 持病悪化した人の健康管理など課題

ウクライナからの避難民の受け入れで、政府の委託を受けて親族などがいない人たちを一時滞在先のホテルで支援している公益財団法人の担当者がNHKのインタビューに応じ「持病が悪化した人の健康管理や子どもの学習機会の確保が喫緊の課題となっている」などと支援の現状を明らかにしました。

ウクライナから日本に避難した人のうち、親族などの受け入れ先がない人たちについては、政府の委託を受けた公益財団法人「アジア福祉教育財団」の難民事業本部が、一時滞在先のホテルで食事の提供や生活支援を行っています。

この団体の支援の担当者が受け入れ後、初めてインタビューに応じ、避難している人たちの近況や支援の課題などを説明しました。

それによりますと、一時滞在先のホテルには22日の時点でおよそ20人が滞在し、中には持病が悪化し病院への付き添いが必要な人もいて、こうした人たちの体調管理が最優先の課題になっているということです。

また、避難している学生たちはウクライナの学校の授業をオンラインで受講しているということですが、空襲警報で中断されることがあるほか、テキストや端末が不足しているケースもあり、学びの機会の確保や心のケアも課題となっています。
難民事業本部・主任難民相談員の川田美智子さんは「日本に来て右も左も分からない疲弊した状況の中で、少しでも日常生活の温かさを取り戻してもらいたい。現場で聞き取った一人一人のニーズを国に報告し、自治体や企業に支援のバトンを渡していきたい」と話していました。
また、難民事業本部の鈴木功特命参事は「これほど多くの自治体や企業から支援の申し出があるケースはおそらく初めてで、日本に残る人にもウクライナに戻る人にも『日本に来てよかった』と思われるよう、息の長い支援をしていきたい」と述べました。