ウクライナの軍事専門家「ロシア軍は東部への攻撃を続ける」

ウクライナの軍事専門家は、NHKのインタビューで「ウクライナ側の反撃を受けても、ロシア側は、国民向けに勝利したかのように見せるために、ウクライナ東部の支配を目指し攻撃を続けるだろう」として、今後、戦闘がさらに激化するとの見方を示しました。

インタビューに応じたのは、ウクライナでシンクタンクの代表を務め、軍事や外交問題に詳しい、ミハイロ・サモシ氏です。

サモシ氏は、ロシアの軍事侵攻について「侵攻当初、ロシア側は最大で3日や5日で終わると考えていただろうが、実際には補給もうまくいかず、兵力も大きく損失した」と分析しました。

そのうえで、プーチン大統領は、旧ソビエトが第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した5月9日の「戦勝記念日」に向けて、国内向けに戦果を示す必要に迫られているとして「ウクライナ東部の支配を目指し、東部に戦力を集中するだろう。ただ、そのためには多くの兵力が必要で『戦勝記念日』を通して愛国心を高め、国民に自発的に戦闘に参加するよう求めるだろう」と述べました。

一方で、サモシ氏は「ロシアは兵力や軍用車両の損失にもかかわらず、大規模な部隊で攻撃を続けるだろうが、ウクライナ側は、極めて現代的であり、小規模な部隊が、機動性を発揮しながら、最新鋭の精密兵器で反撃することになる」と述べ、今後、戦闘がさらに激化するとの見方を示しました。