岸田首相 靖国神社に「真榊」奉納 春の例大祭にあわせて

21日から始まった靖国神社の春の例大祭にあわせて、岸田総理大臣は「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

東京 九段の靖国神社では、21日と22日の2日間、春の例大祭が開かれます。

これにあわせて岸田総理大臣は「内閣総理大臣 岸田文雄」と記した木札が添えられた「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

関係者によりますと、岸田総理大臣は総理大臣に就任する前は「真榊」を奉納したことはありませんでしたが、就任直後に開かれた去年秋の例大祭では安倍 元総理大臣や菅 前総理大臣の対応を踏襲して奉納し、今回も同様の対応をとったということです。

岸田総理大臣は例大祭の期間中、参拝は行わないということです。

また、後藤厚生労働大臣も「真榊」を奉納しました。

自民 高市政調会長「感謝の誠をささげた」

自民党の高市政務調査会長は、21日午前9時半ごろ、靖国神社に参拝しました。

参拝を終えたあと、高市氏は記者団に対し「ことしは特にウクライナの惨状を見るにつけ、日本の国民と領土、主権を守るために苛烈な状況下で国策に殉じられた英霊を悼み、感謝の誠をささげた」と述べました。

高市氏は、毎年、春と秋の例大祭の期間中や、8月15日の終戦の日に参拝しています。

自民 安倍元首相「ウクライナも念頭に参拝」

自民党の安倍元総理大臣は、21日午前10時半ごろ、靖国神社に参拝しました。

参拝を終えたあと、安倍氏は記者団に対し「祖国を思い、家族の行く末を案じながら国を守るために散華された英霊に尊崇の念を表するために参拝した。まさに、ウクライナでは祖国を守るために多くの人が命をかけて戦っており、勇気ある尊い犠牲の上に国は守られていくことも改めて念頭におきながら参拝した」と述べました。

安倍氏は、おととし9月に総理大臣を退任したあと、春と秋の例大祭や8月15日の終戦の日などに参拝しています。

韓国外務省が論評「深い失望と遺憾の意」

靖国神社の春の例大祭に合わせて、岸田総理大臣が「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したことに対して、韓国外務省は21日、報道官の論評を発表しました。

この中で「過去の侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀した靖国神社に日本の責任ある指導者たちが再び供え物を奉納したり、参拝を繰り返したりしたことに深い失望と遺憾の意を表する」としています。

そして「日本の責任ある人たちが歴史を直視し、過去の歴史に対する謙虚な省察と真の反省を行動で示すことを促す」としています。

また、来月10日に就任するユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領から新政権の外相候補に指名された国会議員のパク・チン(朴振)氏は「真榊」の奉納について「日本が謙虚な省察と反省の姿勢を示してくれることが重要だ」と記者団に述べました。

中国外務省 報道官「断固として反対 厳しく非難」

中国外務省の汪文斌報道官は21日の記者会見で「みずからが行った侵略の歴史に対する誤った態度を改めて示すものであり、断固として反対し、厳しく非難する」と述べ、日本側に厳正な申し入れを行ったことを明らかにしました。

そのうえで「日本には、侵略の歴史を直視して反省し、軍国主義ときっぱりと決別し、実際の行動でアジアの近隣諸国と国際社会の信頼を得るよう求める」と述べました。