社会

お米が好きすぎて農家の弟子に “小4農家”ゆうちゃんの米作り

大好きなお米を自分の手で作りたい。
農業と縁が無かった神戸市の小学4年生が農家に弟子入りし、米作りに挑戦しています。
小さな子どもの奮闘を、農家も地域の人たちも温かく見守っています。

(大阪放送局ディレクター 木村光佑)

お米大好きゆうちゃん

神戸市の小学4年生、新宅佑輔くん(9)
みんなから「ゆうちゃん」と呼ばれ、親しまれています。一日に食べるごはんの量は2合以上。お米が大好きです。

幼稚園のころは体が小さく、ずっといちばん前だったといいます。
しかしラグビーを始めるとたくさん食べるようになり、体も大きくなりました。今では、茶わん3杯食べています。
ゆうちゃん
「いただきまーす。おいしい!ああ最高」
「味とか甘さとか、しっかりとかもちもちとか。違いますねー」

大好きな米を自分の手で

都市部の住宅街で生まれ育ち、農業とは縁がなかったゆうちゃん。

大好きなお米を自分の手で作りたいと、去年、自由研究のテーマに選んだのが「米作り」です。

母親につないでもらい、知り合いの農家に弟子入り。休耕田を貸りて、しろかきから田植え、収穫まで一連の作業を学びました。
師匠の中井知広さんは、最初に米作りを教えてほしいと言われ、とても驚いたといいます。

農家 中井知広さん
「もうね、びっくりしました。小学生がやりたい、自分で作りたいなんて珍しい。でも、おいしいって言ってくれたから教えてあげようかなって」

虫も大好きゆうちゃん

ゆうちゃんの自由研究のタイトルは「お米づくりちょうせん記」
米作りの詳細な記録や、田んぼで見つけた生き物たちの様子、収穫した稲まで、ゆうちゃんの部屋はどこを見回しても米、米、米…
なかでもゆうちゃんがこだわりをみせたのが、虫でした。

ゆうちゃん
「害虫は田んぼの稲とか食べたりするけど、ただの虫はただそこにいるだけ、益虫は田んぼにいい虫。お薬は虫が死ぬのでいやですね。虫にも命があるので」
虫のことを思うとできれば農薬は使いたくない。

しかし、一切農薬を使わなかった結果、去年、田んぼは雑草だらけに。
台風で稲が倒れたこともあり、収穫できた米は45キロと目標の6分の1以下にとどまりました。

挑戦 カブトエビ農法

このままでは終われない。ゆうちゃんは自由研究ではなく、本格的に米作りを行うことを決めました。

秘策は「カブトエビ農法」
田植え後すぐにカブトエビを放ち、雑草が新芽のうちに食べてもらう無農薬農法の1つです。

図書館で米作りに関する本を探している時に見つけ、何度も借りたといいます。
ゆうちゃん
「(図書館の本を)何回も返さなあかんってなったから、もう買いましたね」
カブトエビ農法の専門家から卵を譲ってもらい、ゆうちゃんは今、自分の部屋でカブトエビを育て始めています。顕微鏡で成長を日々確認しています。

周りの人たちも幸せに

ゆうちゃんの新たな挑戦。師匠の中井さんにとっても刺激になっています。
農家 中井知広さん
「いつも孤独なんですよ。作業1人でやってるから。だから仲間、一緒にできる仲間がいると楽しい」
中井さんにとってゆうちゃんは、今や弟子ではなく、一緒に米づくりをする仲間です。また、周りの農家たちもゆうちゃんを温かく見守っています。
近所の農家
「おじいちゃんおばあちゃんの姿を見て、子どもが農業のやり方を覚える言うのがずっと脈々と続いてた農家のやり方なんでね。ありがたいなって思います」

友達にも食べてほしい

自分だけでなく、周りの人たちも幸せにしているゆうちゃんの米作り。
ことしこそ目標の300キロの収穫を目指して、2年目の米作りに挑みます。
ゆうちゃん
「みんなに応援してもらったから、みんなやクラスメイトに食べてもらい、おいしいって言われたらうれしいです」

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