ゼレンスキー大統領 “ロシア軍 ウクライナ東部へ新たな攻撃”

ロシア軍がウクライナ東部の要衝マリウポリの掌握に向けて圧力を強める中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍による東部への新たな攻撃が始まったことを明らかにしました。
そのうえで「どんなに多くのロシア軍の兵士が来ようとも、私たちは戦う」と徹底抗戦する姿勢を示し、停戦にむけた交渉の行方は一層不透明感を増しています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は東部で攻勢を続けていて、このうち要衝マリウポリでは、ウクライナ側に武装解除して降伏するよう要求しウクライナの部隊が拠点とする製鉄所を包囲したと主張しています。

製鉄所で18日に撮影された映像では、爆発音が連続して鳴り響いたり、建物付近で煙があがったりする様子が確認できます。

マリウポリの市議会は18日にSNSで、製鉄所について「ロシアによる激しい爆撃が行われている」としたうえで「製鉄所の地下シェルターには1000人以上の市民がいて、そのほとんどは子どもを持つ女性や高齢者だ」として、ロシア軍による攻撃を非難しました。

また、東部ルハンシク州では、18日、車で避難しようとしていた市民、少なくとも4人がロシア軍の攻撃を受けて死亡したほか、ドネツク州でも、少なくとも4人が死亡したとそれぞれの州知事が自身のSNSで明らかにしました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、動画を公開し、「ロシア軍は長い間準備してきたドンバス地域での戦いを開始したと言える。ロシア軍のかなりの部隊が、この攻撃に投入されている」と述べ、東部のドンバス地域でロシア軍による新たな攻撃が始まったことを明らかにしました。

そのうえで「どんなに多くのロシア軍の兵士が来ようとも、私たちは戦う」と述べ、徹底抗戦する姿勢を示しています。

ゼレンスキー大統領は15日にCNNテレビのインタビューで「ドンバス地域での戦いは、戦争全体の行方を左右する可能性がある。ロシア軍がドンバス地域を掌握したら、キーウに向かって来ないとは限らないと私たちは理解している」と話していました。

ロシア軍はウクライナ東部での攻撃を強化しているのに加え、首都キーウや西部への攻撃も再開していて、停戦にむけた交渉の行方は一層不透明感を増しています。