マリウポリ 降伏期限すぎる ロシア側は攻勢強める構え

激戦地となっているウクライナ東部の要衝マリウポリでは、侵攻を続けるロシア軍がウクライナ側の部隊に要求した降伏の期限がすぎました。ロシア側は要求が無視されたとして攻勢を強める構えで、市民の犠牲がさらに増えることが懸念されます。

ロシア軍はマリウポリの完全掌握に向けてウクライナ側の部隊と激しい戦闘を続けていて、17日には部隊に対して「武器を置いた者は命を保証する」などと呼びかけ日本時間の17日午後7時までに武装を解除して降伏するよう迫りました。

これに対して、マリウポリの防衛にあたるウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」の司令官のマキシム・ゾリン氏は17日、NHKのインタビューで「ロシア軍は1万4000人以上の兵士を集結させ、マリウポリの50%以上を支配している」と述べ、劣勢にあることを認めつつも「われわれは戦い続け、絶対に降伏しない」と、徹底抗戦する決意を示しました。

そのうえで、首都キーウ近郊に配置していた部隊を支援のためマリウポリに向かわせていることを明らかにしました。

一方、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は、ウクライナ側には外国人のよう兵も含まれているとした上で「これ以上、抵抗を続ければ全滅させる」と警告しています。

要求した降伏の期限がすぎる中、現地のロシア側の隊長は「われわれの提案が無視された」と述べ、攻勢を強める構えだと国営のロシア通信が伝えました。

ウクライナのベレシチュク副首相は17日、マリウポリについて「市民、特に女性と子どもを避難させるためのルートの設置を何度もロシア側に要求している」とSNSに投稿し、いまも多くの住民が市内に取り残されているとみられ戦闘が激化して市民の犠牲がさらに増えることが懸念されます。