ロシアの核兵器使用「脅威は軽視できない」米CIA長官

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが核兵器を使用する可能性について、アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官は、プーチン大統領らが自暴自棄になる可能性などに言及したうえで「核兵器に頼ることによる脅威は軽視できない」と述べ、ロシアの出方を注視する考えを強調しました。

アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官は14日、南部ジョージア州のジョージア工科大学で講演しました。

この中でバーンズ長官は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが核兵器を使用する可能性について問われたのに対し「プーチン大統領とロシアの指導部が自暴自棄になる可能性や、彼らが直面してきた軍事的な後退を考えれば、戦術核や低出力の核兵器に頼ることによる脅威は誰も軽視できない」と述べ、ロシアの出方を注視する考えを強調しました。

ただ、これまでのところ、核兵器の使用に向けた準備は確認できていないとしています。

ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始したあと、プーチン大統領は国防相などに対して、核戦力を念頭に、抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう命じていて、国連のグテーレス事務総長は先月「核兵器を使った紛争が起こりうる状況だ」と強い危機感を示しています。