北朝鮮 キム総書記 国営テレビの看板アナウンサーらに新築住宅

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、国営テレビで長年、最高指導者の動静などを伝えてきた女性アナウンサーらに対し、国の発展に貢献したとして新築の住宅を提供しました。国民に広く知られている「看板アナウンサー」を手厚く処遇することで、みずからへの忠誠を呼びかけるねらいがあるとみられます。

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン総書記が、15日の祖父キム・イルソン(金日成)主席の生誕110年を前に、今月11日に続いて13日、首都ピョンヤンで行われた住宅のしゅんこう式に出席した際の映像を、14日午後、放送しました。
キム総書記が設計したとする新築の住宅には、国営の朝鮮中央テレビや「労働新聞」の関係者らが入居するということで、キム総書記は、女性アナウンサーのリ・チュニ氏と手をつないで部屋を見て回りました。

リ氏は、長年、最高指導者の動静をはじめ重要なニュースを伝える役割を担い、キム主席や、キム総書記の父キム・ジョンイル(金正日)氏の死去、それに核・ミサイル開発の成果などを発表してきたベテランで、今回のニュースもみずから読み上げました。

キム総書記は「50年余りの間、革命のマイクとともに歩んできたリ氏は国の宝だ」と述べ、国の発展への貢献を評価したということで、国民に広く知られている「看板アナウンサー」を手厚く処遇することで、みずからへの忠誠を呼びかけるねらいがあるとみられます。

一方、北朝鮮をめぐっては、さらなる弾道ミサイルの発射や7回目の核実験に踏み切る可能性が指摘されているほか、15日、ピョンヤン中心部で軍事パレードが行われるという見方も出ていて、関係国が警戒と監視を続けています。

北京の北朝鮮大使館でも祝賀行事か

中国の北京にある北朝鮮大使館では、15日のキム・イルソン主席の生誕110年を前に、14日午前、中国共産党の幹部らとみられる一行が車で訪れ、祝賀行事が行われたもようです。

また、北朝鮮と取り引きのある中国企業から贈られたとみられる「熱烈慶祝」などと書かれた立て札のついた赤い花が大使館の入り口に置かれていました。

中朝関係をめぐっては、新型コロナウイルスの影響でおととしから中断されていた、両国間を結ぶ貨物列車の運行がことし1月に再開されていて、船による輸送を含めた、ことし2月までの2か月間の貿易総額は、去年の同じ時期に比べ40倍以上増えていて、経済的にも強い結びつきを取り戻しつつあります。

松野官房長官「さらなる挑発活動に出る可能性も」

松野官房長官は午後の記者会見で「北朝鮮の軍事動向については、平素から重大な関心を持って情報収集、分析に努めているが、事柄の性質上、個々の具体的な情報の内容を答えることは差し控える」と述べました。

そのうえで「北朝鮮は国際社会に背を向けて、核・弾道ミサイル開発のための活動を継続する姿勢を依然として崩していないことから、さらなる挑発活動に出る可能性も考えられる」と指摘しました。

そして「引き続き必要な情報の収集、分析と警戒監視に全力をあげていくとともに、北朝鮮の完全な非核化に向け、日米、日米韓で緊密に連携していく。こうした状況を踏まえ、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的強化に取り組んでいく」と強調しました。