ワクチン3回目接種 ”抗体の値 3か月後に半減も一定の有効性”

新型コロナワクチンの3回目の接種によって、感染を防ぐ抗体の値が3か月でどう変化するか、国の研究班が初めて分析結果を公表しました。抗体の値は接種直前に比べて平均で50倍以上に上昇したあと、3か月後にかけてほぼ半減したものの「一定の有効性は保たれている」としています。

厚生労働省の研究班は、3回目のワクチン接種を受けた医療従事者のうち、感染による抗体がなかった人について、変異する前の「従来株」に対する抗体の値が、3か月間でどう変化したか初めて分析しました。

このうち3回ともファイザーのワクチンを接種した440人では
▽1か月後の抗体の値は接種の直前に比べて平均で52.1倍
▽3か月後は27.5倍だったとしています。

また、2回目までファイザーで3回目にモデルナを接種した92人では
▽1か月後の抗体の値が接種の直前に比べて平均で70.3倍
▽3か月後は36倍だったとしています。

研究班の代表で、順天堂大学医学部の伊藤澄信特任教授は「3か月後にかけて抗体の値はほぼ半減したものの、水準としては高く一定の有効性は保たれている。オミクロン株に対する効果は明確に言えないが、有効性が急激に低下することは考えにくいのではないか」としています。