プーチン大統領 “停戦交渉こう着 目的達成まで軍事作戦継続”

ロシアのプーチン大統領はウクライナと行っている停戦交渉について「ウクライナが合意から後退し、こう着状態に陥った」と非難しました。そのうえで「目的が達成されるまで軍事作戦は継続する」と述べ、現時点では停戦に応じず、軍事侵攻を続けていく考えを強調しました。

ロシアのプーチン大統領は12日、ロシア極東でベラルーシのルカシェンコ大統領と首脳会談を行いました。

会談後、共同で記者会見したプーチン大統領はウクライナへの軍事侵攻について「欧米が育てた極端な民族主義勢力との衝突は避けられず、もはや時間の問題だった」と述べ、改めて正当化しました。

そのうえで「状況は悲劇だが、ウクライナ人はきょうだいのような民族だ」と一方的な持論を展開しました。

そして「軍事作戦をもっと早く進められないのか聞かれるが、戦闘を激しくすることでそれは可能だ。ただ、残念ながら犠牲者を伴う。われわれは、計画に沿って粛々と作戦を実行する」と述べました。

一方、ロシア軍が撤退した首都近郊のブチャで多くの市民が殺害されているのが見つかり、欧米がロシアによる戦争犯罪だと非難していることについてプーチン大統領は「シリアで化学兵器が使用されたと騒がれた時と同じようにフェークだ」と主張し、ロシアの関与を否定しました。

そのうえで、トルコのイスタンブールで先月末に行われた停戦交渉についてプーチン大統領は「ブチャをめぐる挑発行為を受けてウクライナ側が当時の合意から後退し、こう着状態に陥った」と非難しました。

そして、一方的に併合したウクライナ南部のクリミア半島や東部地域の独立の承認が合意の前提になるというロシア側の主張を踏まえ「交渉で最終合意に至り、目的が達成されるまで軍事作戦は継続する」と述べ、現時点では停戦に応じず、軍事侵攻を続けていく考えを強調しました。

また、プーチン大統領は、中長期的には欧米の制裁がロシア経済に影響を与える可能性があるという認識を示しながらも「困難な状況下でロシア人は常に団結する。われわれはこの困難に対処していく」と述べ、ロシアを孤立させようとする欧米側の試みは失敗すると強気の姿勢を示しました。