北朝鮮 キム総書記 党トップ就任10年 核・ミサイル開発を加速

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が朝鮮労働党のトップに就任してから11日で10年です。キム総書記は権力基盤固めを進める一方、憲法を改正してみずからを「核保有国」と明記し、核・ミサイル開発を加速させてきており、近くさらなる弾道ミサイルの発射や7回目の核実験を行う可能性も指摘されています。

北朝鮮のキム・ジョンウン総書記は、父親のキム・ジョンイル(金正日)氏の死去を受けて、10年前の2012年4月に開かれた朝鮮労働党の代表者会で、新たに設けられた「第1書記」に選出され、国家や軍を指導する党のトップに就任しました。

その後、キム総書記は、後見人とされたおじのチャン・ソンテク氏を2013年に処刑するなど、幹部の粛清や更迭を繰り返すとともに、2016年に党に新設された「委員長」に、そして去年1月には父親と同じ肩書である「総書記」に就任し、権力基盤固めを進めてきました。

一方、キム総書記は、核とミサイルを外交上の「取引材料」とした父親と違い、党のトップに就任した直後に憲法を改正してみずからを「核保有国」と明記し、アメリカに対抗して核・ミサイル開発を加速してきました。

その結果、キム・ジョンイル政権の17年間に発射された弾道ミサイルが16発、核実験が2回だったのに対し、キム・ジョンウン政権ではこの10年間で、発射された弾道ミサイルはICBM=大陸間弾道ミサイル級を含めすでに100発を超え、核実験も4回に上っています。

キム総書記は、去年1月に新型兵器の開発を盛り込んだ「国防5か年計画」を打ち出しており、今週15日に祖父キム・イルソン(金日成)主席の生誕110年の節目を控える中、国威発揚もねらって、近くさらなる弾道ミサイルの発射や7回目の核実験を行う可能性も指摘されています。

松野官房長官「最近の一連の行動 断じて容認できず」

松野官房長官は、11日午前の記者会見で「日朝ピョンヤン宣言に基づき、拉致・核・ミサイルの諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指す考えに変わりはない」と述べました。

そのうえで「先月のICBM級弾道ミサイルのような事態をさらに緊迫化させる弾道ミサイル発射を含め、最近の一連の北朝鮮の行動は、日本や国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できない。アメリカをはじめとする国際社会と緊密に連携し、北朝鮮の完全な非核化の実現を目指す」と述べました。

また、拉致問題について「岸田内閣の最重要課題で、一日も早くすべての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動していく」と述べました。