新型コロナ 新規感染者数 32道府県で前週より増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では先週に続いて緩やかな増加傾向で、32の道府県で前の週より多くなっています。
首都圏などでは横ばいとなっている一方、九州などで増加の幅が比較的大きくなっているところもあり、地域によって感染状況に差が出ています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、
1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽先月10日までの1週間では前の週に比べて0.86倍、
▽先月17日は0.90倍、
▽先月24日は0.76倍と6週連続で緩やかな減少が続いていました。

しかし、
▽先月31日は1.17倍と増加に転じ、
▽今月7日まででは1.04倍と2週連続で緩やかな増加傾向で,
一日当たりの新規感染者数はおよそ4万7200人となっています。

感染者数は32の道府県で前の週より増えていて、首都圏などでは、ほぼ横ばいになっている一方、九州などで増加の幅が大きくなっています。

沖縄県

人口当たりの感染者数が最も多いのが沖縄県で
▽先月24日までの1週間は前の週の1.06倍、
▽先月31日は1.32倍、
▽今月7日まででは1.29倍と3週連続で増加傾向となっています。

一日当たりの新規感染者数は1121人で、
直近1週間の人口10万当たりの感染者数は534.73人と、
全国で最も多くなっています。

首都圏(1都3県)

【東京都】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.78倍と
 6週連続で緩やかな減少傾向となっていましたが、
▽先月31日は1.19倍、
▽今月7日まででは0.99倍と横ばいとなっています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ7433人で、
直近1週間の人口10万当たりの感染者数は370.41人と、
沖縄県に次いで全国で2番目に多くなっています。

【神奈川県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.72倍、
▽先月31日は1.01倍、
▽7日まででは1.01倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3837人となっています。

【埼玉県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.81倍、
▽先月31日は1.23倍、
▽今月7日まででは0.90倍となっています。

一日当たりの新規感染者数は3374人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は321.56人と、沖縄県、東京都に次いで全国で3番目に多くなっています。

【千葉県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.74倍、
▽先月31日は1.17倍、
▽今月7日まででは1.03倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2680人となっています。

関西(2府1県)

【大阪府】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽先月31日は1.10倍、
▽今月7日まででは1.06倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ3750人となっています。

【京都府】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽先月31日は1.28倍、
▽今月7日まででは1.04倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ917人となっています。

【兵庫県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.70倍、
▽先月31日は1.09倍、
▽今月7日まででは0.99倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は1829人となっています。

中部(3県)

【愛知県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.75倍、
▽先月31日は1.14倍、
▽今月7日まででは1.00倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2506人となっています。

【岐阜県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽先月31日は1.24倍、
▽今月まででは1.17倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は561人となっています。

【三重県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.73倍、
▽先月31日は1.45倍、
▽今月7日まででは1.19倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ585人となっています。

ほかの地域

【北海道】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.93倍、
▽先月31日は1.20倍、
▽今月7日まででは1.15倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1964人となっています。

【広島県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.90倍、
▽先月31日は1.37倍、
▽今月7日まででは1.09倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ976人となっています。

【福岡県】
▽先月24日までの1週間は前の週の0.75倍、
▽先月31日は1.25倍、
▽今月7日まででは1.07倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2257人となっています。

一方で、増加の幅が比較的大きくなっている地域もあり、
▽福島県は今月7日までの1週間は前の週の1.29倍、
▽新潟県は1.29倍、
▽和歌山県は1.43倍、
▽島根県は1.28倍、
▽長崎県は1.29倍、
▽熊本県は1.31倍、
▽大分県は1.27倍、
▽宮崎県は1.61倍となっています。

専門家「地域差は過去の感染が影響の可能性」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現在の感染状況について「感染の再拡大が顕著な自治体とそうでないところで濃淡がみえてきている。ワクチンの追加接種率などには自治体ごとの差はあまりないので、原因としては、東京や大阪などの大都市圏では、すでに感染した人が多く、自然に免疫がついて感染の拡大が抑えられているのに対し、これまで比較的、感染が少なかったところで、改めて広がってきている可能性がある」と指摘しています。

今後の見通しや対策については「オミクロン株は、感染力がより強いとされる『BA.2』系統のウイルスに置き換わっていくとみられる。世界的にはほとんどの国で置き換わっていて、ヨーロッパでは9割を超えている国もある。日本でも今後は、接触機会を減らしながら、予防対策をもう少し強めに行うことや、追加接種を進めることなどが大事だ。特に20代の感染者が多くなっているので、この世代への対策が再増加を軽くできるかどうかのカギになるのではないか」と話していました。
また、複数のオミクロン株が組み合わさった「XE」と呼ばれる新たな変異ウイルスについは、「検出数が少なく、まだはっきり特徴がわかっていないが、感染力は『BA.2』よりは、やや強いだろうということはわかっている。基本的にはこれまでの対策で十分防げると考えられ、それほど心配するような状況にはなっていない。ただ、新たな変異ウイルスを国内で検出できる体制は、早急に整えておく必要がある」と話しています。