コロナで入院 患者の8割「BA.2」 症状強いケースも 東京の病院

東京 品川区の大学病院では、入院時の検査で患者の8割がオミクロン株の1つで感染性が高いとされる「BA.2」への感染が確認されています。
先月の3週間余りで一気に置き換わりが進み、多くが若い世代ですが、これまでのオミクロン株より、のどの痛みなど症状が強いケースが目立ち、医師は今後、重症化リスクのある高齢者に広がることを懸念しています。

東京 品川区の昭和大学病院では、入院するすべての新型コロナの患者に対し「BA.2」かどうか、ウイルスの種類を解析しています。

相良博典病院長によりますと、病院の検査で陽性となった人のウイルス164件を分析したところ、
「BA.2」は、
▽先月2日から5日にかけては1割以下でしたが、
▽先月13日からの1週間ではおよそ5割に、
▽先月27日からの1週間では8割を占めるようになったということです。

3週間余りで一気に「BA.2」への置き換わりが進んだということです。

また、この病院では「BA.2」患者の6割が20代から30代となっていますが、ワクチンを接種していない30代の男性には肺炎がみられ、酸素の投与が必要な「中等症2」の状態にまで悪化したケースもあるということです。

現在、入院している患者は13人で、このうち9人が「BA.2」でした。

また、10人が20代から30代でした。

相良病院長は「のどの症状やけん怠感など、これまでのオミクロン株よりBA.2の方が症状が強く出ている印象を持っている。若者でも強く出ているのを見ると、今後、重症化リスクのある高齢者に年齢層が上がった時にどう影響を及ぼすのか、注意しないといけない。今の段階で感染を食い止めていくことが重要だ」と指摘しています。

病院長「ワクチン接種していない人は肺炎起こす可能性も」

昭和大学病院に先月から入院している30代の男性は、病院の検査でオミクロン株の1つで感染性が高いとされる「BA.2」への感染が確認されました。

詳しく検査したところ、男性のCT画像には広い範囲で肺炎の状況がみられ、酸素の投与が必要な「中等症2」の状態にまで悪化していて、今も治療が続けられているということです。

男性に基礎疾患はありませんが、ワクチンは接種していなかったということです。

相良病院長は「この男性は基礎疾患はなく、もともと健康だった方だが、酸素が必要になるくらい非常に肺炎が強く起きている。オミクロン株では比較的、肺炎は起こりにくいとみていたが、最近は肺炎を起こしている人たちが増えてきているのではないかと感じる。やはりワクチンを接種していない人は肺炎を起こす可能性があり、気を付ける必要がある」と話していました。