ゼレンスキー大統領 “ロシアが地球上で最大の脅威”

ウクライナのゼレンスキー大統領は首都キーウ近郊のブチャで多くの市民が殺害されているのが見つかったことについて「ロシアが地球上で最大の脅威になっている」としたうえで、ブチャの北西にある「ボロジャンカはもっとひどい状況だ」と述べ別の町でより深刻な被害が出ていると訴えました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、新たにビデオメッセージを公開し、首都キーウ近郊のブチャで多くの市民が殺害されているのが見つかったことについて「ロシアが自由や人間の安全保障、人権にとって地球上で最大の脅威になっていることがブチャで明らかになった」と述べました。

そのうえでブチャの北西にある「ボロジャンカはもっとひどい状況だ」と述べ、別の町でより深刻な被害が出ていると訴えました。

ウクライナの公共放送が7日に伝えたボロジャンカの映像では、ビルが崩落している様子や袋に包まれた状態で放置されている遺体などが確認できます。

ロシアによる軍事侵攻の前、およそ1万3000人が住んでいたボロジャンカは壊滅的な被害を受けたとしています。

またゼレンスキー大統領は、ロシア軍がウクライナ北部から撤退したあと、トルコやリトアニア、それにスロベニアの外交団がキーウに戻ってきたことを明らかにしました。

そして「キーウがわれわれの首都であり、ロシアの地方都市ではないことを侵略者たちに明確に示している」と述べ、そのほかの国々に対しても、キーウで外交団の業務を再開するよう呼びかけました。

一方ロシア国防省は7日、ウクライナ東部のハルキウや南部のミコライウなどにあるウクライナ軍の燃料施設をミサイルで破壊したと発表しました。

イギリス国防省は、ロシア軍がインフラを攻撃する理由について、ウクライナ軍の補給能力を弱め、ウクライナ政府への圧力を強めるねらいがあると指摘しています。

こうした中、アメリカのオースティン国防長官は7日、議会上院の公聴会で、2月中旬以降、ロシアのショイグ国防相と連絡を取ろうとしているものの、ロシア側が応じず意思疎通ができていないことを明らかにしました。

オースティン長官は「ロシア側への働きかけをやめるわけではない。われわれは指導部と対話する能力を持たなければならない」と述べ、ロシア側への呼びかけを続ける考えを示しました。