こうした中、ラジャパクサ大統領は4月1日、治安の回復を図るためだとして、令状なしでの逮捕や拘束を可能にする非常事態宣言を全土に出しました。
現地では4月2日夜から4日の午前6時までの間、外出禁止令も出され、コロンボにある日本大使館は、スリランカにいる日本人に対し今後の政府の発表に注意するとともに抗議活動を見かけた場合は近づかないよう呼びかけています。

スリランカ 全土に非常事態宣言 コロナ感染拡大で経済危機に
インド洋の島国スリランカでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで経済危機が深刻化しています。市民の間で物価の上昇や停電などへの不満が高まる中、ラジャパクサ大統領の自宅近くで暴徒化したデモ隊と警察が衝突し全土に非常事態宣言が出されるなど、混乱が広がっています。
スリランカでは外貨不足による輸入制限や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う財政の悪化で、食料などの必需品の物価が急激に上昇しているほか、石油が不足しているせいで一日に最大で13時間の計画停電が行われるなど、市民生活に深刻な影響が出ています。
3月31日には、最大都市コロンボにあるラジャパクサ大統領の自宅近くで抗議を行うデモ隊が道路を封鎖したり、バスに火をつけたりして暴徒化し、警官隊が催涙ガスを放つなどして数十人がけがをしました。
