ロシア “マリウポリに人道回廊設置” 避難進むかが焦点

ロシア軍が完全掌握を目指しているウクライナ東部のマリウポリをめぐり、ロシア側は4月1日、住民の避難ルートを設置するとしていて、避難が進むかが焦点です。
一方、双方の停戦交渉がオンライン形式で始まりましたが、停戦についてロシアのプーチン大統領は「機は熟していない」と話したとされ、交渉が具体的に進展する見通しはたっていません。

ロシア国防省は4月1日、ウクライナ東部で弾薬庫などウクライナ軍の軍事施設をミサイルで破壊したなどと発表しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は3月31日、ロシア軍は完全掌握を目指している東部の要衝マリウポリで「着実に前進を続けている」と指摘しました。

マリウポリでの住民の避難についてロシア国防省は「人道回廊」と呼ばれる避難ルートを日本時間の4月1日に設置するとしています。

避難ルートの設置には、国連難民高等弁務官事務所とICRC=赤十字国際委員会も参加する予定だとしています。

ロイター通信などによりますと、マリウポリからの避難は54台のバスで行われ、ICRCの責任者が現地に向かっていることを明らかにし避難が進むかが焦点です。

一方、ロシア側は、首都キーウ・ロシア語でキエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小するとしていましたが、イギリス国防省は1日、「継続的な空爆とミサイル攻撃にさらされている」と指摘しています。

こうした中、1日、ロシアとウクライナ側の停戦交渉がオンライン形式で始まりました。

ロシア代表団のトップ、メジンスキー大統領補佐官は、SNSで「交渉が続いている。われわれのクリミアとドンバスの立場は変わらない」と述べ、一方的に併合した南部クリミアや親ロシア派の武装勢力が影響力を持つウクライナ東部の主権について譲歩しない姿勢を強調しました。

また、ロシアのプーチン大統領と3月30日に電話会談したイタリアのドラギ首相が、速やかな停戦などを働きかけたのに対してプーチン大統領は「まだ機は熟していない」と話したとされ、交渉が具体的に進展する見通しはたっていません。