ウクライナ映画上映会 現地からビデオメッセージも 東京 渋谷

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、戦争に巻き込まれている映画製作者を支援しようと、ウクライナ映画の上映会が29日夜、東京で開かれました。上映会には現地でドキュメンタリーを撮り続けている監督からビデオメッセージが届き「私の痛みを共有する機会を与えてくれた人々に深く感謝いたします」などと思いを語っていました。

この上映会は、国内で映画に関わる有志が、クラウドファンディングで支援金を募って企画したもので、29日は東京・渋谷の映画館「ユーロスペース」で、ウクライナ人のヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督の2019年の作品「アトランティス」が上映されました。

この映画はロシアとの戦争が終結した2025年の荒廃したウクライナが舞台で、戦争で傷ついた元兵士の男性と兵士の遺体の身元を特定する仕事にあたる女性との交流を描いた物語です。
上映を前に今もウクライナで戦争のドキュメンタリーを撮り続けている監督からのビデオメッセージが流され「困難な時期に日本や全世界からの支援はわれわれ全員にとって重要なものです。私の痛みを共有する機会を与えてくれた人々に深く感謝いたします。必ずや葬らなければならない醜い怪物に対する戦争があることを世界に伝えることができました」と述べると、客席からは拍手が起こりました。

支援金は来月12日まで募っていて、集まったお金は上映会の経費を差し引いたうえでウクライナの映画製作者を支援する団体に寄付するということです。

映画を鑑賞した50代の男性は「監督のメッセージには勝利ということばもありましたが、映画を見て、監督にとって勝利とはロシアを打ち負かすという意味ではなく、普通の姿を取り戻すということなのだと受け取りました」と話していました。

また40代の女性は「ウクライナのことを知りたいと思い見に来ました。戦争のあとに映画がすごく必要になると思うのでこの支援を活用してほしい」と話していました。

上映会は30日と31日も行われるということです。