感染後のワクチン接種どうすれば 厚労省の見解は?

国内でこれまでに新型コロナウイルスに感染した人は600万人を超えました。医療機関などには、感染を経験した人もワクチンを接種したほうがいいかどうか問い合わせが増えていて、厚生労働省は、感染後抗体価は下がることなどから、感染の3か月後を目安に接種するよう呼びかけています。

国内で新型コロナウイルスに感染した人は、26日の時点で累計で634万人余りに上り、国民全体のおよそ20人に1人が感染したことになります。

第6波での感染者の急増に伴って厚生労働省のコールセンターや医療機関などには、感染したあとにもワクチンを接種したほうがいいかどうか、問い合わせが増えているということです。

このうち東京 目黒区のクリニックには、掛かりつけの患者からの相談が多くなっていることから、接種を受ける時期などについて説明するとともにSNSで情報を発信しています。

厚生労働省は、アメリカの研究で、感染したことがある人がワクチンを接種した場合、接種しなかった人と比べて再び感染する確率が低くなったという報告があるとしています。

また別の研究では、感染しても抗体価は2か月後には3回目のワクチン接種直後と同じ程度になり、その後、抗体価は下がっていくとみられることなどから、厚生労働省は、感染した人も希望する人は感染から3か月後を目安に接種するよう呼びかけています。

ただ、希望すれば感染後すぐの接種も可能だとしています。
ロコクリニック中目黒の瀬田宏哉医師は「第6波で感染した人から3回目の接種を受けたほうがいいのか、いつ受けるのが望ましいのかと聞かれることが多い。適切なタイミングがはっきりしていないところもあるが、どんな場合も基本的には接種した方がいいと伝えている」と話しています。

感染後のワクチン接種の時期 各国で対応分かれる

新型コロナウイルス感染後の3回目のワクチン接種は欧米の多くの国で接種を勧めていて、その時期については対応が分かれています。

厚生労働省によりますと、フランスとドイツでは感染から3か月以上たってから接種が可能だとしています。

イギリスでは、発症または陽性と確認されてから4週間以上たったあとに接種するべきだとしています。

アメリカでは感染後、接種までの最適な間隔を示す十分な科学的根拠がないとして、症状が治まって隔離後であれば安全だとして接種を勧めています。

感染した女性「もっと詳しい説明があれば安心感につながる」

今月上旬に新型コロナウイルスに感染した40代の女性は「感染していなかったときは接種券が届いたらすぐ打とうと思っていたが、感染したあとに3回目の接種はどうすればいいのだろうと疑問に思った」と話していました。

女性は療養を終えた今も胸のどうきやのどの違和感などが残っているということで「接種して、さらにどうきが強くなるのではないかと怖く、症状がある中で接種していいのかが分からない。調べてもあいまいな情報が多く、副反応や何か月後に打っていいなど、もっと詳しい説明があると安心感につながると思う」と話していました。