中国 ぜんそくの看護師 入院できず死亡 コロナ対策で救急停止

中国で今月に入って新型コロナウイルスの感染が広がる中、ぜんそくの症状を訴えた上海の看護師が、勤務先の病院で診察を受けられず死亡しました。

病院は感染対策のため救急外来を停止していましたが、インターネット上では勤務していた看護師を受け入れなかったことに対し、批判の声が相次いでいます。

中国では今月に入って新型コロナウイルスの感染が広がっていて、保健当局は、24日の一日で市中感染が無症状の人を含めて4790人確認されたと発表しました。

このうち上海では無症状の人を中心に1600人余りの市中感染が確認され、住宅地が相次いで封鎖されるなど対策が厳しくなっています。

こうした中、中国メディアによりますと、上海の女性看護師が23日ぜんそくの症状を訴え、家族が勤務先の病院に連れていきましたが、病院は感染対策のため救急外来を停止していて、受け入れなかったということです。

看護師はその後、別の病院で死亡しました。

看護師が勤務していた病院は25日「親族の方々に心からお見舞いを申し上げます」というコメントを発表しましたが、インターネット上では「勤務していた看護師ですら救えないのに市民を救えるのか」といった批判の声が相次いでいます。

中国ではことし1月、都市封鎖が行われた西安で有効なPCR検査の陰性証明を持っていなかったとして妊婦が病院で診察を受けられず、死産となったケースも起きています。