新型ICBMで北朝鮮の脅威高まる 政府 警戒強化で制裁含め検討へ

24日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、政府は新型のICBM=大陸間弾道ミサイル級で、通常の軌道であればアメリカ本土を射程におさめる可能性があると分析しています。
北朝鮮の脅威のレベルがさらに高まったとみて、警戒を強めるとともに新たな制裁措置も含めて対応を検討する方針です。

北朝鮮は24日、新型のICBM級とみられる弾道ミサイル1発を通常より角度をつけて打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射し、ミサイルは日本のEEZ=排他的経済水域の内側の、北海道の渡島半島の西およそ150キロの日本海に落下したと推定されています。

飛しょう時間は過去最長のおよそ71分で、最高高度が6000キロを超えてこれまでで最も高いことから、政府は通常の軌道であれば1万キロ以上飛しょうし、アメリカ本土を射程におさめる可能性があると分析しています。

岸田総理大臣は、訪問先のベルギーで「許せない暴挙であり、断固として非難する」と述べ、その後、出席したG7=主要7か国の首脳会議では北朝鮮の核・ミサイル開発問題に対し、G7として連携して対処していくことを確認したと明らかにしました。

政府は、北朝鮮のミサイル技術が進展し、脅威のレベルがさらに高まったとみて警戒を強めるとともに、アメリカや韓国などの関係国とも連携し、新たな制裁措置も含めて対応を検討する方針です。

北朝鮮 ICBM発射実験の中止見直が明確に

韓国軍は、北朝鮮が24日午後、首都ピョンヤン(平壌)郊外のスナン(順安)付近から日本海に向けて、ICBMとみられる弾道ミサイル1発を発射し、高度は6200キロ以上とこれまでで最も高くなり、飛行距離はおよそ1080キロだったと明らかにしました。

北朝鮮は、アメリカとの史上初の首脳会談を前にした2018年4月、ICBMの発射実験と核実験の中止を表明していて、ICBM級の本格的な発射は2017年11月の「火星15型」以来、およそ4年4か月ぶりとなります。

これを受けて、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が国際社会への約束をみずから破棄したとして、強く非難しました。

また、チョン・ウィヨン(鄭義溶)外相は24日夜、アメリカのブリンケン国務長官と電話で会談し、国連安全保障理事会でのさらなる措置など断固たる対応が必要だという認識で一致しました。

今回の発射によって、北朝鮮がことし1月に示唆したとおり、ICBMの発射実験の中止を見直したことが明確になった形で、韓国の公共放送KBSは「交渉局面が終わり、北朝鮮は、ウクライナ情勢への対応に追われるアメリカや、新政権が発足する韓国に強い姿勢で対じして、核能力の強化を本格化させると宣言した」と伝えています。

北朝鮮は、来月にはキム総書記の祖父キム・イルソン(金日成)主席の生誕110年などの重要な節目を控えていて「偵察衛星の打ち上げ」と称してICBM級のさらなる発射を強行する可能性も指摘されています。

これに加えて、閉鎖したとしていた北東部の核実験場では、復旧作業とも受け取れる動きが見られ、関係国の警戒が一段と強まっています。

国連安保理 25日に緊急会合開催へ

また、北朝鮮がICBM級とみられる弾道ミサイルを発射したことについて、国連の安全保障理事会では、アメリカなどの要請に基づき、対応を協議する緊急会合を25日に開催することになりました。