ウクライナ ゼレンスキー大統領の国会演説 23日夕方で最終調整

ウクライナ政府が、日本の国会で、ゼレンスキー大統領による演説の機会を求めていることを受けて、自民党は、23日の夕方に国会内の会議室で実施する方向で、各党と最終的な調整を進めています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、西側諸国に支援を要請するため、各国の議会で演説を重ねていて、17日はコルスンスキー駐日大使が、衆参両院の議長と個別に会談し、演説の機会を設けてもらいたいと正式に要請しました。

これを受け自民党は、ウクライナ大使館からの要望も踏まえ、23日の午後6時をめどにオンライン形式で実施する方向で、各党と最終的な調整を進めています。

また、衆参両院の本会議場には映像を見る設備がないことから、衆議院の議員会館にある国際会議室などに衆参両院の国会議員を集めて視聴することを検討していて、週明けに議院運営委員会の理事会で正式に決めたいとしています。

衆参両院によりますと、海外の要人による国会での演説は通常、国賓などで招かれた際の歓迎行事として行われていて、オンライン形式で実施されるのは初めてです。

国会演説とは

外国の元首などによる国会での演説は、通常、衆参両院の議長が主催する歓迎行事の一環として行われます。

実施にあたっての法令や規則はなく、議院運営委員会が、相手国政府などからの要望を受けて、実施するかどうかを決めます。

また、演説は通常、本会議場で行われ、30年ほど前からは衆参両院の本会議場が交互に使われていますが、平成30年6月には、マレーシアのマハティール首相が議員会館の講堂で講演した例もあります。

ただ、オンライン形式での演説は、今回のゼレンスキー大統領が初めてです。

過去の演説

衆議院によりますと、外国の元首らによる国会演説は、戦後、これまでに40回行われています。

初めての演説は、昭和33年12月に、国賓として来日したフィリピンのガルシア大統領が参議院本会議場で行いました。

国別では、韓国の大統領が最も多く4回。

アメリカの大統領が3回。

中国の総書記や首相などが3回となっています。

このほか、昭和61年には、公賓として来日したイギリスのチャールズ皇太子が演説しました。

また、ソ連崩壊直前の平成3年4月には、国賓として来日した当時のゴルバチョフ大統領が演説したこともあります。