原発再稼働 規制委“ウクライナ理由で安全に妥協は許されず”

自民党の議員連盟が、ウクライナ情勢の影響を理由に、停止中の原子力発電所を速やかに稼働させる目的で、テロ対策の施設に関する規制基準の運用を見直すべきだなどと原子力規制委員会に申し入れしたことについて、更田豊志委員長は見直す考えがないとしたうえで「原発事故の厳しい反省に基づき安全への妥協は許されない」と述べ、再稼働の審査に影響しないとする考えを示しました。

自民党の議員連盟は、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、天然ガスや石油などの価格が高騰しているとして、停止中の原発を速やかに稼働させるため、原子力規制委員会に対して運用の一部を見直すべきだとする緊急決議を行っています。

具体的には、原発の新しい規制基準で設置が義務づけられているテロ対策の施設について、期限内に完成しない場合、原発を稼働してはならないとする運用を見直すべきと主張していて15日、申し入れがあったということです。

これについて、更田委員長は「規制委員会として行動することは考えていない」と述べ、運用を見直す考えがないことを明らかにしました。

そのうえで、更田委員長は「11年前に起きた福島第一原発事故で原子力関係者は厳しい反省をし、規制委員会はこれを受けて発足した組織だ。初心を忘れてはならず、安全に妥協は許されない」と述べ、再稼働の前提となる審査には影響しないとする考えを重ねて示しました。