【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(15日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナで少なくとも691人の市民が死亡

国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まった先月24日から今月14日までに、ウクライナで少なくとも691人の市民が死亡したと発表しました。
このうち48人は子どもだということです。

ポーランド チェコ スロベニアの首相がキエフ訪問へ

ロシア軍がウクライナの首都キエフへの攻勢を強める中、ポーランド政府は15日、モラウィエツキ首相がチェコとスロベニアの首相とともにキエフを訪問し、EU=ヨーロッパ連合の代表として、ゼレンスキー大統領と会談すると発表しました。
発表によりますと、訪問の目的は、ウクライナの主権と独立に対するEU全体からの支持を明確にし、ウクライナとウクライナ人に対する幅広い支援策を示すことだとしています。

停戦交渉がオンライン形式で再開したもよう

ロシアとウクライナの代表団による停戦をめぐる交渉について、ウクライナ側の代表団は現地メディアに対し、14日に続いて15日もオンライン形式で再開したと明らかにしました。

ウクライナからの避難 300万人近くに

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシアによる軍事侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は15日時点で296万人を超え、300万人近くに上っています。それによりますと、最も多いのがポーランドでおよそ180万人、ルーマニアがおよそ45万人、モルドバがおよそ33万人、ハンガリーがおよそ26万人、スロバキアがおよそ21万人などとなっています。

キエフ市長が市内全域に外出禁止令 危険な状況

ウクライナの首都キエフのクリチコ市長は、現地時間の15日午後8時、日本時間の16日午前3時からキエフ全域に35時間の外出禁止令を出すと明らかにしました。
この中でクリチコ市長は、首都キエフが危険な状況にあるとしています。
外出禁止令はウクライナ軍の決定に基づくものだとしていて、キエフにいるすべての人に家の中や避難所にとどまるよう求めています。

ロシア軍 “黒海沿岸の州を掌握”発表 代表団15日も停戦交渉へ

ロシア軍は首都キエフの包囲に向けて部隊を進めているほか、南部の黒海沿岸の州を掌握したと発表しました。ロシアとウクライナとの代表団による交渉は14日に続いて15日も行われる予定で、停戦に向けた糸口を見いだせるかどうかが焦点です。

ロシア軍は、首都キエフやアゾフ海に面する東部の要衝マリウポリなどの包囲に向けて攻勢を強め、これに対してウクライナ軍は激しい抵抗を続けています。
また、ロシア国防省は15日、ロシアが一方的に併合するクリミア半島に隣接する南部のヘルソン州の全域を掌握したと発表しました。黒海沿岸で支配地域を広げ、ウクライナへの海上からの輸送を断ち切りたいねらいがうかがえます。

ロシア教育省が愛国教育の動画制作「ウクライナを平和に」

ロシア教育省は3月、愛国教育の一環としてウクライナで起きていることを説明するなどとして動画を制作したと発表しました。

動画はおよそ30分で動画投稿サイトやソーシャルメディアなどに掲載され、国営テレビの記者がロシアとウクライナの歴史とともにNATO=北大西洋条約機構の東方への拡大は危険だなどと主張したあと、女の子の質問に答える形式が取られています。

このなかで女の子が「平和のために誰も死なないことが重要ですが、特別軍事作戦とは何ですか?」と質問すると、歴史専門家だという男性がロシア軍は住宅や学校、民間人を攻撃していないとしたうえで「私たちはウクライナを平和にさせたい。ウクライナでの軍事的発展を阻止し、ロシアに対する脅威をなくしたい」と主張しています。

ロシアの国営メディアはこの動画が各地の学校の授業で使われていると伝えていて、動画の制作にはプーチン政権の主張を国内で徹底して浸透させたいねらいがあるとみられます。

人工衛星運用の米企業 首都キエフ近郊の衛星画像を公開

人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」は14日に首都キエフ近郊を上空から撮影したとする衛星画像を公開しました。

それによりますと撮影したのはキエフ中心部から北西におよそ25キロ付近の地点で、住宅地から複数の煙と炎が立ち上っているほか、周辺の緑地が黒く焼け焦げているような様子が確認できます。

ウクライナ 暗号資産で寄付受け付けるウェブサイト立ち上げ

ウクライナ政府は14日、暗号資産の取引所を運営する会社などと協力して、暗号資産で寄付を受け付けるウェブサイトを立ち上げたと発表しました。

現時点では、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を使った寄付が可能だということで、取引所を運営する会社を通じて暗号資産をドルに換え、ウクライナの中央銀行に送金するとしています。

これまでに、4900万ドル近く、日本円にして57億円余り集まったということです。

集まった資金は、ウクライナ軍の支援のほか、一般市民の人道的な支援にも充てられるとしています。

デジタル転換相を兼務するウクライナのフョードロフ副首相は、自身のツイッターに「世界中から暗号資産で寄付できるようになった。これまでになく簡単に支援できる」などと投稿し、寄付を呼びかけています。

米メディア記者がウクライナで取材中にけが

アメリカのフォックスニュースは14日、現地で取材にあたっているベンジャミン・ホール記者がウクライナのキエフ近郊で取材中にけがを負い病院に運ばれたと明らかにしました。

これはスコットCEO=最高経営責任者が声明で明らかにし、それによりますと現時点で詳しいことはわかっておらず、フォックスニュースの現地のチームが状況の把握を急いでいるとしています。

ホール記者のツイッターには3月に入って、キエフから避難する家族を取材したとする本人の様子やキエフで対空ミサイルが発射される様子を捉えたとする動画が投稿されています。

また13日にはウクライナで取材中に銃撃されて死亡したアメリカ人のジャーナリストのブレント・ルノーさんへの追悼のメッセージが投稿されていましたが、現地時間の14日正午ごろのリツイート以降は更新されていません。

「国営テレビのスタジオに入った女性にお礼を」ウクライナ大統領

ロシア国営テレビで、ニュース番組の放送中に職員の女性が反戦を訴えたことについてウクライナのゼレンスキー大統領は14日、SNSで投稿した動画で「真実を伝えようとし続け、偽の情報と戦うロシアの人たちに感謝します。ロシア国営テレビのスタジオに入った女性には個人的にお礼を言いたい」と述べました。

そのうえで「抗議することを恐れない人たちに言いたい。あなたの国が世界から完全に閉ざされる前に戦わなければならない。チャンスを失ってはならない」と述べ、ロシアの人たちに真実を伝え続けてほしいと呼びかけました。

取材中に死亡した米ジャーナリスト ゼレンスキー大統領が追悼

ウクライナで取材中だったアメリカ人のジャーナリストで映像作家のブレント・ルノーさんが取材中に死亡したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間の15日、追悼の手紙をツイッターで公開しました。

ゼレンスキー大統領はルノーさんの遺族に宛てて「最愛の息子であり兄弟であるブレント・ルノーさんが亡くなったことについて深い悲しみと哀悼の意を表す」としています。

アメリカの複数のメディアは、ルノーさんがロシア軍に銃撃され死亡したと伝えていますが、ゼレンスキー大統領は「彼は勇気と意志の強さで最も危険な戦地に赴き、侵略国家がもたらした前代未聞の冷酷さと悪を記録した。私たちはそのプロ意識に感謝する」としています。

そして「ブレントさんの犠牲が、闇の力に光の力で対抗するため、世界の人たちを何世代にもわたって勇気づけることを願う」と結んでいます。

ロシアの議員や富豪ら17人を資産凍結の対象に 政府

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていることを受けて、政府は、さらに厳しい対応が必要だとして、15日の閣議でロシアに対する追加の制裁措置を了解しました。

この中では、日本国内にある資産を凍結する対象に、ロシアの議会下院の議員やプーチン政権に近いとされる「オリガルヒ」と呼ばれる富豪ら17人を加えるとしています。

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「一刻も早くロシアに侵略をやめさせるために強い制裁措置をとっていくことが必要で、追加的な措置を取ることとした。今後も、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携して適切に取り組んでいく」と述べました。

ポーランド外相 「人道危機 単独対応できない」国際協力訴え

ウクライナの隣国、ポーランドのラウ外相は14日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、ウクライナから国外に避難した人のうちこれまでに160万人をポーランドが受け入れたとしたうえで「このような人道危機に単独で対応できる国は世界中どこにもない」と述べ、国際社会に協力を訴えました。

さらにラウ外相は、同じ日に開かれた国連安全保障理事会で発言し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「ロシアは民間人や学校、病院などを標的に攻撃している。国家によるテロ行為だ」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。

米国防総省「ロシア軍攻撃 暴力的 無差別的な傾向に」

アメリカ国防総省の高官は14日、記者団に対し、ロシア軍はこれまでに900発以上のミサイルを発射したとしたうえで、人口の多い地域を制圧するため長距離からの砲撃を増やし、暴力的、無差別的な傾向が強まっていると指摘しました。

また、この高官は、ロシア軍がウクライナ西部の軍の施設に対して行った空爆について、長距離爆撃機がロシアの領空内から巡航ミサイル数十発を発射したとしたうえで、少なくとも7つの建物が損害を受けたと明らかにしました。

ロシア国防省はこの施設について「外国から持ち込まれた大量の武器が保管されていた」などと主張しましたが、国防総省の高官は、施設は軍事物資の輸送拠点にはなっておらず、アメリカによるウクライナへの軍事支援に影響はないと説明しました。

一方、ウクライナ国内に投入されたロシア軍の地上部隊に、この週末、大きな前進は見られなかったと指摘しました。

首都キエフに向かっているいずれの部隊も動きが停滞していて、キエフ中心部に最も近い部隊は引き続き北西方向におよそ15キロの位置にいるということです。

この高官はロシア軍の停滞の理由について「ウクライナ側の抵抗によるところが大きい」と指摘しています。

一方で、ウクライナ側から激しい抵抗を受けながらも、ロシア軍は投入した戦力のうち今も90%弱が戦闘可能な状態を維持しているとの見方を示しました。

ロシア国営放送 ニュース番組中に「反戦」訴え

ロシア国営の「第1チャンネル」で14日、午後9時の看板ニュース番組「ブレーミャ」で、キャスターが欧米による経済制裁についてのニュースを伝えていたところ、手書きの文字が書かれた紙を持った女性が突然スタジオに入ってきました。紙には「戦争反対」という英語とともに、ロシア語で「戦争をやめて。プロパガンダを信じないで。あなたはだまされている」と書かれていました。女性が「戦争をやめて」と繰り返し叫んでいたところ、放送は突然、別の映像に切り替わりました。

ロシアの複数のメデイアによりますと、女性は「第1チャンネル」で働く編集担当者の1人で、このあと警察に拘束され、取り調べを受けているということです。プーチン政権は、ロシア国内でウクライナへの軍事侵攻に反対する声の高まりに神経をとがらせ、法律を改正して言論統制を強めています。

チェルノブイリ原発 送電線損傷も外部から電源供給

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は14日、声明を発表し、ウクライナ北部のチェルノブイリ原子力発電所への送電線が、ロシア軍の攻撃によって再び損傷したと報告を受けたものの、その後、外部からの電源供給ができるようになったとしています。

また、声明ではウクライナ南東部のザポリージャ原発について「ロシア軍が敷地内で弾薬を爆発させたという情報を把握している」としたうえで、IAEAとしてウクライナ側から情報の入手を進めているとしています。

砲撃を受けたキエフのマンションから炎や黒煙

首都キエフで14日に撮影された映像では、マンションがロシア軍によるとみられる砲撃を受け複数の部屋から炎や黒煙があがる様子が確認できます。また消防隊員が部屋に取り残された住民をはしごを使って助け出す様子もとらえられています。

ロイター通信は、ウクライナの地元メディアの情報として、この攻撃によって少なくとも1人が死亡し、3人がけがをしたと伝えています。

ウクライナ西部 テレビ塔にミサイル攻撃 9人死亡

複数の海外メディアは、ウクライナの当局者の話として、西部の都市リブネ近郊にあるテレビ塔が14日にミサイル攻撃を受け、少なくとも9人が死亡し9人がけがをしたと伝えています。当局者は「まだ、がれきの下に人がいる」と話しているということです。

地元メディアは、この攻撃の影響でリブネ地域のテレビやラジオ放送が停止していると伝えています。

今月1日には、首都キエフの中心部にあるテレビ塔も攻撃を受けていて、ロシア国防省は「情報作戦の拠点などを攻撃する」としていました。

プーチン大統領 イスラエル首相と電話会談

ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は14日、イスラエルのベネット首相と電話で会談しました。会談でプーチン大統領は、親ロシア派の武装勢力が支配しているウクライナ東部のドネツクをウクライナ軍がクラスター爆弾を使用して攻撃し、民間人に多数の死傷者が出たと主張したということです。そのうえで、ロシアとウクライナの間で続いている停戦交渉の現状について、ベネット首相に説明したということです。

一方のベネット首相は、ウクライナ情勢をめぐる各国の首脳とのやり取りを、プーチン大統領に伝えたということです。ベネット首相は、今月5日にモスクワを訪れるなどプーチン大統領と頻繁に連絡を取る一方、ウクライナのゼレンスキー大統領ともたびたび電話で会談しています。イスラエルとしては、ロシアとウクライナのいずれにもユダヤ系の住民が多いことなどから、双方と良好な関係を維持していて、停戦に向け積極的に仲介にあたっています。

ドイツ 最新鋭ステルス戦闘機F35 調達方針を発表

ドイツの国防省は14日、アメリカの最新鋭のステルス戦闘機F35を調達する方針を発表しました。ドイツにはアメリカの核兵器が配備され、ドイツの戦闘機に搭載して運用する「核共有」の仕組みをとっていて、F35は老朽化しているトーネード戦闘機の後継として、有事には核攻撃の任務も担うことになります。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、ドイツのショルツ首相は先月27日、国防費を毎年、GDP=国内総生産の2%以上に大幅に引き上げ、連邦軍の増強のため、ことし、1000億ユーロ、日本円でおよそ13兆円を新たに投じることを明らかにしていました。

EU “マリウポリで2400人以上の市民が犠牲”

EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は14日の会見で、ロシア軍が攻勢を強めているウクライナ東部のマリウポリで、これまでに2400人以上の市民が犠牲になったと述べました。マリウポリでは、爆弾の投下により病院などのインフラが破壊されているほか、数十万人の市民が食料や水、医薬品などの深刻な不足に直面していると指摘されています。

バイデン大統領 欧州訪問を検討 米複数メディア

アメリカの複数のメディアは、ウクライナ情勢をめぐり、バイデン大統領が今後数週間のうちにヨーロッパを訪問することを検討していると報じています。アメリカのNBCテレビによりますと、NATO=北大西洋条約機構やEU=ヨーロッパ連合の本部があるベルギーの首都ブリュッセルなどへの訪問が検討されているということです。

ウクライナ人滞在のバリ島で平和集会

およそ5000人のウクライナ人が観光や長期で滞在しているインドネシアのリゾート地、バリ島では14日、地元の市民団体が平和を願う集会を開き、インドネシア人やウクライナ人などおよそ100人が集まりました。

参加した人たちは「戦争をやめろ」と書かれた横断幕を掲げ、ジョン・レノンさんの「イマジン」を歌うなどして平和への祈りをささげました。

参加したウクライナ人の男性は両親がウクライナ国外に避難できない状況になっていて「人生でこれほどの苦痛を感じたことはない。インドネシアでももっと多くの人が声をあげてほしい」と話していました。

第2の都市ハリコフで建物崩れ2人死亡

ウクライナの第2の都市ハリコフで14日に撮影されたとされる映像では、建物が攻撃を受けて一部がえぐられたように崩れている様子が確認できます。また建物の周辺にはがれきが散乱し、炎もあがっていて消防隊員が消火活動にあたっている様子もうつっています。ロイター通信は、この攻撃で少なくとも市民2人が死亡したと伝えています。

ドイツにも大勢の避難民

ロシアによる軍事侵攻のあと、ドイツにはウクライナから大勢の人が逃れてきていて、ドイツ政府によりますと、その数はこれまでに14万6000人を超えています。

首都ベルリンの中央駅には隣国ポーランドを経由し列車を乗り継いできた人たちなどが次々と到着しています。駅の構内では温かい飲み物や食べ物、それにおむつなどの生活用品が無料で提供され、避難してきた人たちは座って食事をとるなどして疲れた体を休めていました。

ウクライナの首都キエフから南東に160キロほど離れた町に父親と兄をおいて母親と2人で逃れてきた13歳の少年は「攻撃やサイレンがとても怖かった。家族が一緒にいられず、とてもつらい」と話していました。

またウクライナ南部オデッサで歯科医になるための勉強をしていた北アフリカのモロッコ出身の21歳の男子学生は「ポーランドとの国境付近でウクライナの警察から、『ウクライナ人に見えないから出国できない、行ったら殺す』と言われた。行っても死ぬし引き返しても死ぬのであればいっそ殺してくれと言って突き進んだ」と話し、肌の色のために越境を拒まれたように感じたと、その時の様子を振り返っていました。

国境近くの軍施設に空爆 ポーランドでも不安広がる

ウクライナ西部のポーランドとの国境近くにあるウクライナ軍の施設「国際平和維持治安センター」が空爆を受けたと、当局が明らかにしたことで、ポーランドでも不安が広がっています。

被害を受けた施設から30キロ余り離れたポーランド南東部にある国境の町メディカの検問所では、国境を越えたばかりのウクライナからの人たちがさらに西に向かおうと次々とバスに乗り込んでいました。

このうち、首都キエフから1歳の赤ちゃんを抱えて国境を越えてきた女性は「何日もかけて移動してきました。とても大変でした。家を離れ、友人と別れてとても悲しいです。これからさらにスペインに向かいます」と話していました。

また、北東部にある第2の都市ハリコフから幼い子どもたちを連れて避難してきた女性は「ハリコフでは爆撃が続いているので、列車やバスを丸一日乗り継いでここまで来ました。疲れたので少し休憩したいですが、祖母が避難しているポーランドの西部に向けて移動を続けます」と話し、足早にバスに乗り込んでいました。

“ウクライナ市民 636人死亡” 国連人権高等弁務官事務所

国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まった先月24日から今月13日までにウクライナで少なくとも636人の市民が死亡したと発表しました。このうち46人は子どもだということです。

亡くなった636人のうち、148人が東部のドネツク州とルガンスク州で、ほかの488人は首都キエフや第2の都市ハリコフ、北部のチェルニヒウ、南部のヘルソンなど各地で確認されています。犠牲者の多くは砲撃やミサイル、空爆などによって命を落としたということです。また、けがをした人は1100人余りに上っているということです。

国連人権高等弁務官事務所は、数百人の死傷者がいるとされる東部マリウポリなど、詳しい状況が確認できていないケースも多いとしていて、亡くなった人やけがをした市民は、実際にはさらに多いとみられます。

キエフ中心部で車両が爆発

ウクライナの首都キエフの中心部で14日に撮影された監視カメラの映像では、バスとみられる車両が攻撃によって爆発して煙が上がり、通行人が驚く様子が確認できます。ロイター通信は地元住民の話として、この爆発で少なくとも2人が犠牲になったと伝えています。