ロシアとウクライナ 14日オンライン交渉 進展か予断許さず

ロシア軍が、ウクライナの首都キエフなど各地で攻勢を強める中、両国の代表団による交渉が14日、オンライン形式で行われています。
双方から、進展に期待する見方などが示される一方、立場の隔たりは依然大きいとみられ、交渉が進展するかは予断を許さない状況です。

ロシア軍は、首都キエフの包囲に向けて3方向から部隊を進めているとみられるほか、ウクライナ西部の軍の施設にもミサイルで攻撃するなど攻勢を強めています。

また、アゾフ海に面する東部の要衝マリウポリの掌握に向けて攻撃を強め、ロシアが、一方的に併合する南部のクリミアから東部に向けた地域を支配することで、ロシア側の補給路などを築きたい思惑もあるとみられます。

戦況の分析を進めているイギリス国防省は13日、ロシア海軍がウクライナの黒海沿岸を封鎖し、海上貿易から事実上孤立させていると明らかにしました。

一方、停戦に向けた両国の交渉について、ウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問は日本時間の14日午後5時半ごろ、ツイッターに投稿した動画で、「これから始まる」と述べ、その後、オンライン形式での交渉が行われていると明らかにしました。

交渉をめぐっては、ロシア側から進展に期待する見方が示されるとともに、ウクライナ側も作業部会を設置して具体的に進めていると明らかにしたうえで、ロシア側の姿勢に建設的な動きが見られるとしています。

ゼレンスキー大統領は13日「代表団の明確な任務は、両国の大統領の会談が実現するよう可能なかぎりのことをすることだ」と述べ、代表団による交渉などを踏まえてプーチン大統領との首脳会談に臨む意欲を示しました。

ただ、ロシアは、ウクライナの「中立化」や「非軍事化」を引き続き要求するなど立場の隔たりは依然大きいとみられ、交渉が進展するかは予断を許さない状況です。

キエフ北部の集合住宅 攻撃受け1人死亡 3人けが

ウクライナの非常事態庁によりますと14日、首都キエフ北部のオボロン地区にある集合住宅が、ロシア軍の攻撃を受け、これまでに1人が死亡し、3人がけがをしたということです。

この集合住宅に住む男性は「部屋から出てみたら、階段がなくなっていてすべてが燃えていました。バルコニーをつたってなんとか避難しました」と話していました。
また別の男性は「ここは住宅地なんだ。ふざけている。何もことばが出ません」と憤った様子でした。

“チェルノブイリ原発への送電線 再び損傷” ウクライナ電力会社

ウクライナの電力会社は14日、チェルノブイリ原発への送電線がロシア軍の攻撃によって再び損傷したと発表しました。

この損傷によって、原発への外部からの電力供給がすべて失われたかどうかについては明らかになっていませんが、ロイター通信は関係者の話として、チェルノブイリ原発では、ディーゼル発電機による電力供給が行われていると伝えています。